第二十六話 対テロ組織
ーー1話前まで、朝でしたがあっという間に帰宅!!
13時00分!!
『ここッッッッーー!!!』
早退して、家の前に帰ると、人でごった返していた。
『ごっつぁんでぇす!!!!!!』
『なんとぉぉぉぉぉぉッッッッ!!』
インターネットで見るような人々が、自分の家を囲んでいた。
なんか、その人達の奥に特殊部隊みたいな人達来てるんだけど。透明な盾構えながら、ズンズン進んできてるんだけど。
『なにをしてんの!?なにをしてんの!?』
再び誰かが叫んだ。
叫んだ癖に誰もなにも反応しないのかよ。
『ドュワァ!!センナナヒャクゥ!!』
『…………………』
どんな空気感なんだよこれ。
人でごった返してる癖に、盛り上がりに欠けているようであった。最も、自分の家の前で盛り上がって欲しくないのだが。
今日って、平日だよね?
あれ、この人達って……
これ以上はかんがえるのをやめた。
『発砲開始………!!!』
NE○Vを占拠するような格好した戦闘員達が、
アダムの家に集ったオタクどもを掃討し始める。
一瞬で家の前がスペインのトマト祭りのようになった。
このような、アッパー系有害インターネット動物に、
抵抗力などある筈もなく………
『イタスンギwwwww』
『ぬおw 死ぬんだがwwwww』
『スマソ、我、先逝くwwwwww』
死に際の遺言がこれで良いのかよこいつら。
「君、アダム君だね。お母さんが待っています。」
そのうちの一人、黒ずくめの隊服に身を包み、ガスマスクを装備した隊員がアダムに近寄り言った。
返り血を浴びた手を、アダム君の前に差し出す。
『悲報、ワイ絶滅wwwwwww』
『ルイ○たんをクンカンクンカさせてほすぃwwww』
隊員の足元でうめくインターネットども。
「はっ!まだ息がある!!」
ズガガガガガガガガガ!!
地面が白く発光し、閃光がアダムを包んだ。
「死亡確認!!」
徹底的すぎるだろ。
「はい、手を取って!」
再び手が差し出される。
やだよ、トマト塗れだし。
「…………………。この人間達に同情してるのか?」
トマトが嫌なんだよ。
「…………………」
……………………
「ハッ!!擬態型か!!!」
隊員がこちらにマシンガンを構えたので、アダム君は
迷わずトマト塗れの手を取った。
家に入ると、トマト塗れの隊員が土足でライフルを構えながら、廊下に立っていた。
軍事組織ですか、ここは。
でも、全部アダム君のせいだからね。
「アダム…………………」
ジーネンは、ソファに座り、隊員に囲まれていた。
「アダム君、悪いがね、一つ質問があるのだよ。」
テレビの側に立っている、トマト塗れの黒ずくめが言った。
その隊員は、マシンガンから片腕を離して、隣のテレビの上を指差した。マシンガンがガシャリと音を鳴らし、
実弾が入っているとわかった。
外は、クリーン作戦が始まっていた。
「ご、ゴクリ。」
「この、壁にかけられている、マウスパッドのようなものは、これはなにかな。」
その隊員が指を指したところは、ユナちゃん水着マウスパッドであった。
「そ、それは………」
「身元調査をしておきたい。これの名前を頼む。」
「……………」
「なぜ、答えられんのだ。やはり、擬態型か。」
アダムの後ろを付いていた先の隊員が、背中にマシンガンの鋒を押し付けた。
なんなんだよ、このシリアス展開。
「アダム、言うのよ……」
ジーネンが汗を流しながら言った。
言うのよじゃなくて、なんで壁にかけたんですかジーネンさん。
「それは、えっと……ユナちゃんブツブツブツブツブツ」
「え??聞こえないな。もう一度……。」
隊員が壁を指していた腕を下げ、マシンガンに手をかけた
「ユナちゃん……スケベ……ブツブツブツブツブツ」
「ユナ、スケベ……?」
「何かの隠語か、聞かれたくない言葉があるのか!!」
先の校長室の尋問のグレードアップ版である。
「いえ、ないです。」
「なら、なぜそんなブツブツと喋る!!!
卑しい何かがあるんだろう!!!」
マシンガンの鋒が、背中に跡を作るほど強く押し付けられた。
「言えよ。貴様死にたいか!!」
「卑しいと言っても、性欲だけですよ!!!」
「そんなことは聞いてない……!!!」
男の怒声がリビングを包み込む。
「ふざけるのも、最後にしてもらう。これの正式名称を言え!!遊びではないのだ。君の言動次第でここを制圧だって出来る。」
アダムはこれが、最後だと感じた。
「ユナちゃんスケベマウスパッドver3.0 ドスケベ水着
リアルホログラム仕様 初回限定生産版
キラキラ⭐︎ドキドキ⭐︎ポロリはないよ、ですッッッッ!」
完全詠唱であった。
「そ、そっか。ごめんな。」
先の隊員は声を小さくして、口笛を吹きながら他の場所の捜索を始める。
背中にマシンガンをつけていた隊員は、アダムの肩にそっと手を置いた。
あの、トマト塗れの手でそれやめてください。
「…………言えるじゃないか。」
なんなんだよ、お前は
「はははははは、殺してくれぇ!!」
「こいつぅ!擬態型かぁ!!」
さっきの隊員がアダムを地面に押し付ける。
「ジョン!やめないか!!」
口笛を吹いてお茶を濁そうとした、隊長が叫んだ。
「こいつ、擬態型ですよ!!」
「なにをもって、そう言うか!!」
「目の形を見て!!卑しい形でしょう!!これは、
擬態型宇宙人の特徴だ!!」
アダム君、取り押さえられ、手がギチギチして痛い。
「痛い!!ままぁ!助けてぇ!!!」
「私は、家政婦なのよ!!」
ジーネンが立ち上がり、涙を流す。
なんだよこのやっすい昼ドラのような展開は。
扉が開き、別の隊員が急いで駆け込んだ。
「隊長……!!また怪しいものを見つけました!!」
ダンボールが床に叩きつけられ、口笛はそれを
開け始める。
「もう、もうやめてくれ……!!俺の部屋を漁るんじゃない……!!」
「喋るなよッ!!!」
床に頭ゴン!!!
「おいぃ!なんだこのフィギュアたちはぁぁ!!」
箱から取り出されたのは、未開封jc体型女の子フィギュアであった。数はざっと15。
「隊長、これ児童ポ(自主規制)じゃないですか!?」
「ブラックライトを当てるぞ!!カーテンを閉じろ!!」
やってることが、スケベなフィギュアの買取査定なんだよ
カチッ!カチッ、カチッ!!
「ふむ。付着物はないが、なんだこのフィギュアの
際どさは……!!破廉恥よっ!!」
隊服着込んだおっさんのセリフじゃないだろ。
「どんどん出てきますよ。全員うすほそじゃないか!?」
「なんてことだ、宝の山だぁ!!」
本音が出てるんだよ、国家権力め!!!
「ジョン……!!」
「隊長…………!!!!」
『全て押収します。それでは、本当に、本当に
ありがとうございました!』
この、クソカスロリコン変態軍人どもが!!!
隊員達はダンボールを脇にそえ、壁のユナちゃんマウスパッドを引きちぎって、回収して行った。
「ちょ、待てよッッッッ!!」
アダムが背中に声を叫んだ。
「動くな、撃っちまうぞ!!」
ただの盗賊なんだよ最早。
ミリタリー系暴走族なんだよ。
総員が戦車に乗り込み、帰宅。
家はジーネンとアダムの二人となり、静寂が訪れた。
「あ、まぁま。僕、停学3ヶ月になりました。」
アダムは、涙を拭い、ジーネンへ振り返る。
「そ、働けよ。その間。」
「あはははははご冗談を!学生ですよ!!」
「絶対に、働け!!!家にいることは許さないし、
今日はご飯も抜きっ!!!」
玄関に連れ去られ、外に投げ捨てられたアダムくん。
冬の風がアダムを包み込み、玄関は硬く閉じられた。




