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503.【番外編】第二妃候補 SIDE:クノン

兄上にクララをザカランの婚約者に推して欲しいとまた頼まれてしまった。何度も何度も言う事ではないが、先延ばしにするのもクララが可哀想だと思い、ザカランに相談する。


彼は困った顔になった。彼と私は4ヶ月前に婚約したばかりだ。婚約式と婚約披露パーティーも最近終えたところでまだ新しい婚約者のことは考えられないとそう言った。クララが私の姪っ子なことも気になる、と。


とはいえ、クララは成人年齢で、昨年度高等学校を卒業している。王家の五星王女なのにまだ婚約者がいないなんて問題ありだ。フィアレアラは、留学時代、クララと付き合っていたのに、帰国するからとクララを振った。なのにその後、私と付き合っていた。クララがもう何年もずっとフィアレアラのことが好きだと知っている私は後ろめたい。


そのことをザカランに伝えると、クララを婚約者にすることを受け入れてもいいと言ってくれた。

条件付きだが…。


その条件とは、私が彼の後宮に入ることだった。


彼の言う通り、婚約式を終えた成人年齢後の婚約者ならば結婚前に後宮入りするのは普通のことだ。彼はまだ成人年齢16歳前だが、独立王族当主王太従弟、王国国外代表五星として納税義務を果たしている。成人王族当主扱いなのだから、私が彼の後宮に入ったとしても何の問題もない。


王家王族の後宮、奥のことは国王である兄上の第一王妃が担当するのだが、成人王族当主が一言、成人年齢婚約者を自分の後宮に迎えたいと言えばそれが通る。


第一王妃は、『ならば、その婚約者に仕える侍女を選びましょう。いつ頃お迎えになられますか?』と、王族の婚約者に仕える侍女を選ぶ程度で終わることなのだ。


私は、王家の王女なので、新しい侍女を選ぶ必要はない。ザカランは、家族も、私以外の婚約者もまだいないので自分の王族経費をどう使おうが自由だ。しかも、彼が王族王子に認定された時からずっと彼の財産は私が管理している。


「ぼくは、フィオナと比べたら随分我慢強く待っていると思いませんか?」


それは、そう思っている。私と婚約した後も彼は紳士だった。何度かデートもしたし、彼は私の希望する場所に連れて行ってもくれたのだが、私の手を取る程度で、キス一つしていない。後宮入りの件も、私がザカランの後宮に入ってもいいと思った時で構わないと言ってくれた。


私の向かい側に座っていた彼は、椅子から立ち上がり、私の隣に座った。

  

「キス、ならば、許してくれますか?…クノンは…、クノンは、ぼくよりもフィアレアラの方が好きですか?」


フィアレアラは、婚約者のいる帝国の皇族皇女殿下だ。私が付き合っていたのはザカランで、私はザカランの婚約者だ。ザカランを愛している。


そう私の気持ちを伝えると、彼は嬉しいと言ってくれた。彼も私を愛してると。


そっと目を閉じれば、彼は優しく一瞬唇に触れるだけのキスしてくれた。とても嬉しいのだが、ザカランは私を分かってない。私は、いい年齢の大人なのだ。優しいキスでは足りない。


満足そうな優しい笑みを浮かべて私を見る彼に抱きつき、さっさと彼の後宮に入ってしまうのも悪くないと思ったのだった。

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