502.【番外編】第二妃候補
ク:ザカラン、また兄上に言われましたわ。クララをザカランの第二妃予定の婚約者に推して欲しいと。
ザ:またですか?ぼくもまた言われました。クララ王女様をもらって欲しいと。
ク:クララは、昨年高等学校を卒業し、既に成人年齢も過ぎてますわ。なのにザカランがOKするまで待つつもりです。
ザ:分かってます。分かってますが、ぼくはクノンと婚約し、婚約披露パーティーを終えたばかりです。なのに、次の婚約者なんてまだ考えたくありません。クララ王女様がクノンの姪っ子なことも気になります。
ク:私がランセルの婚約者になったのは初等学校の児童だった頃ですわ。そして、ランセルと結婚する前から第二妃予定の婚約者、側妃予定の婚約者が決まってました。王太子ならば成人年齢前から複数人の婚約者がいるのは普通のことです。貴族の婚約は早い上に、高MRの女性は貴重ですから。叔母と姪っ子が同じ王に嫁ぐことも、前例がないわけではありません。王族が王位継承権を維持するために必要なことですから。私も王家王族の王女ですから、高等学校を卒業した王女にまだ婚約者が決まってないなんて精神的にしんどいですわ。クララが嫌ではないならば、クララの気持ちを受け入れてあげて下さい。
ザ:…。クノンは嫌ではないのですか?ぼくがクララ王女様と婚約することが…。
ク:今更ですわ。フィアレアラは、留学時代、クララとリマリーエと付き合っていたのです。あの二人はフィアレアラのことをずっと好きなままなのです。逆にフィアレアラは私のためにあの二人と別れたことも、私がザカランの婚約者になったことも、あの二人には申し訳ないと思ってるくらいですわ。
ザカランの有力婚約者候補はあの二人で、二人ともザカランの婚約者になることを望んでいるのです。ザカランは複数の女性を妃に迎えないといけないのですから、あの二人を選らんであげて下さい。その方が私も気が楽になりますから。
それと、お忘れですか?私の実家は現王家なのです。両親と兄夫婦、姪っ子甥っ子たちと私毎日一緒なのです。家族の、特に兄上の視線が痛くて食欲が減退しますわ。
ザ:クノンがそう言うならば考えます…。但し、条件があります。
ク:条件とは?
ザ:クノンがぼくの王太従弟宮に入ることです。婚約式を終えた婚約者ならば、成人年齢後に後宮入りするのは普通のことです。ぼくは成人年齢16歳前ですが、遵守成人年齢15歳独立王族当主王太従弟、王国国外代表五星として納税義務を果たす成人王族です。クノンがぼくの後宮に入るのに何の問題もないことはお分かりですよね?むしろ、クノンはいつまで実家にいるつもりなのですか?ぼくらは婚約披露パーティーも終わったのです。クノンは、ぼくの後宮に入るのが嫌なのですか?
ク:嫌ではありませんが、後宮入りは、ザカランが成人年齢16歳になった後か、結婚式を終えた後だと思ってましたわ。
ザ:クノンは、ぼくがフィオナだということを忘れてませんか?フィオナが己の婚約者たちにしたことを。
ク:…。
ザ:ぼくは、フィオナと比べたら随分我慢強く待っていると思いませんか?
ク:…。思いますわ。フィオナ様は…。フィオナ様がフェリオ様のお姿でまだ婚約者のカンナ様に手を出したことならば知ってます。側妃ならば乙女でなくてもいいからと言って。…セシル様とのことも。
ザ:ははっ。やっぱりバレてましたか?フィオナは、精神的に男のフェリオでしたから。男が己の婚約者に手を出すなと言われても無理だったのです。我慢なんて出来ません。
ク:…。
ザ:唯一人の王位を継ぐ王家の五星王子として育ったフィオナと違って、ぼくは五星皇族皇女フィアレアラとして生まれ育ちました。強引傲慢なフィオナが信じられません。恋人とはいえ女性にそんなことをしたら嫌われてしまうのではないかと不安に思うのです。
なので、後宮入りはクノンがぼくの後宮に入ってもいいと思った時で構わないのです。無理矢理望むつもりはありません。
クララ王女様も、リマリーエも、ぼくがクノンのことを特別に思っていることを了承し、それでもぼくの妃になりたいと思うならば、彼女たちと婚約します。ぼくのことを嫌な女性を強引に婚約者に迎えたいとは思ってませんから。
ク:ザカラン…。
ザ:キス、ならば、許してくれますか?…クノンは…、クノンは、ぼくよりもフィアレアラの方が好きですか?
ク:いいえ。ザカランがプロポーズしてくれた時に分かりましたから。フィアレアラは、婚約者のいる帝国の皇族皇女殿下でした。私が付き合っていたのはザカランだったのです。私はザカランの婚約者です。ザカランを愛しています。
ザ:嬉しいよ。ぼくのクノン…。ぼくもクノンを愛してる。




