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501.【番外編】クララの決意

ザカラン王子様とクノン叔母上様の御婚約が12の月定例上層貴族会議で発表され、その日のうちに国民発表となった。


クノン叔母上様は再婚で、ザカラン王子様とは年齢差もあるのだが、お二人の御婚約は国民に祝福され、受け入れられた。


「クララ、ザカラン王子は、国王に即位すればクノンを称第一王妃に指名する。称第一王妃とは、本来第一王妃が就く国権第一位の女性の別称だ。第一王妃が不在、又はその任を果たせない場合は、前第一王妃や第二王妃以下、皇太后などの適切な地位の女性がその御位に就く。


ザカラン王子はな、クノンを称第一王妃にするために、第一王妃を迎えないつもりなのだ。第一王妃不在のまま、第二王妃以下、側妃ならば迎える予定だ。


母上は、そなたを第二王妃にと考えてはいるが、そなたは王家の五星王女なのだ。第二王妃なんかではなく、好きな四星男を配偶者に迎え、王族として残ったらいいと父は思っている。」


父上は、また同じことを私に言った。嫌に決まってる。私は、フィアレアラ皇女様が好きなのだ。好きな男性と結婚していいのならば、私はザカラン王子様を選びたい。そもそも私の年齢と身分に合う婚約者のいない四星男性なんてほとんどいないのだ。ザカラン王子様がイケメンナンバーワンで、他の男性は私の眼中にない。



「クララ、国民は、ザカラン王子様とクノン王女様のご関係を知らないわ。でもね、何故ザカラン王子様がクノン王女様に拘るのか理由が分からなくてもね、クノン王女様の第一王妃としての信用と実績ならばよく分かっているのよ。特に、上層貴族はクノン王女様を国政になくてはならないお方だと厚く信用、信頼し、絶対的に支持しているわ。


ザカラン王子様は、昨年、王族王子に認定されたばかりの隠し子王子で、強い魔力があるとはいえ、生まれた時から王家王族の王子と比べれば信用度が多少落ちるのよ。その王子が貴族国民から絶対的な支持を持つクノン王女様と婚約したのよ。上層貴族も国民も安心してお二人を支持したわ。


そして、すぐに第二妃、側妃選びが始まる。クノン王女様という心強い国政の後ろ盾を得たザカラン王子様に次に求められるのは、五星の子孫よ。つまり、第二妃以下に求められるのは、五星の子孫であり、国政に参加することはほぼないわ。

あなたがそれでもいいならば、母は、あなたがザカラン王子の第二妃予定の婚約者になることに反対しないわ。」



母上まで…。何を言っているのだろうか?国政に参加しないのは、配偶者を得て王族となっても同じではないか。母上なんて、第一王太子妃だったのに王太子妃教育が不十分だと最近まで国政に参加出来なかったではないか。第一王妃に立后してから漸くまともに国政に参加出来るようになったと言っても過言ではない。父上と母上は、ザカラン王子様が即位するまでのお飾り国王と第一王妃だ。我が王国の本当の国王は、お祖母様で、お祖母様を影で操っているのはクノン叔母上様だと貴族ならばみんな知っている。父上と母上だって国政の発言力なんてほとんどない。元々王族王女として目立たないように生きてきた私もそんな物は要らないのだ。クノン叔母上様に勝つつもりなんて最初からない。むしろクノン叔母上様が私の味方になって欲しいくらいだ。


「父上、母上、私は、王族王女として目立たないように生きてきました。今更、国政に参加するという目立つことをしたいとは思いません。配偶者を得て王族に残ったとしても同じです。国政に参加することはありません。第二王妃と何の違いがあるのでしょうか?」


「そっ、それは…。王族に残るならば好きな四星男を配偶者に…。」


「そんな男性はいないと言っています。私が好きなのはザカラン王子様で彼の妃になりたいと。」


「だが、ザカラン王子にはクノンが…。」


「父上。父上には、三人の妃がいます。ランセル国王陛下も、クノン叔母上様と結婚する前から第二妃、側妃予定の婚約者がいました。貴族も婚約者が二人いるのは普通のことです。

つまり、私にとって重要なのは、私以外の女性が第二王妃予定の婚約者になるかも知れないということです。

私は、リマリーエが第二候補だと知っています。リマリーエは、私よりも一年も前からフィアレアラ皇女様とお付き合いしていたのです。リマリーエはザカラン王子様と婚約話が出たら断るはずがありません。お祖母様に学校でザカラン王子様に話しかけることを禁止されていますが、そうでなければ、積極的に自分をアピールするはずです。

年齢と身分からリマリーエがザカラン王子様の第二王妃予定の婚約者になってしまえば、私が側妃になることはありません。私は第二王妃予定の婚約者に選ばれなければ負けなのです。リマリーエは大切な友人ですが、負けたくありません。」


そう。私にだって五星王女としてのプライドならばある。だがそれはクノン叔母上様に対してではない。


「父は、そなたが辛いのではないのかと心配して言っているのだ。そなたは王家の五星王女なのに第二王妃とは…。」


「御言葉を返すようですが、父上、私が王家の五星王女なのは誰のおかげだとお思いですか?クノン叔母上様ではないですか。クノン叔母上様は実の兄である父上の子に王位継承権を与えるために王家に嫁がれたお方です。つまり、兄である父上のために犠牲になったのです。なのに父上は妹に何をしたのですか?子の懐妊が被り、辛い思いをしている妹を庇う事なく、己の保身を計り、ランセル国王陛下に従っていただけではありませんか。


対してクノン叔母上様は、我が王国の未来を守るためにたった一人でレティーア王女様の降嫁に反対し、フィアレアラ皇女様の留学を叶えました。ハウル第二王子のお誕生日パーティーの時、何が起こったのかお忘れですか?クノン叔母上様は、私達を守るために何年もかけて準備してくれていたのです。私達は、クノン叔母上様に守られたのです。私は、クノン叔母上様こそが真の国王陛下で第一王妃陛下だと思っています。父上がそのようにおっしゃるのであれば、国民は誰も父上を国王と認めないでしょう。クノン叔母上様の尊い志で我が王国は守られているのです。父上なんかではありません。」


父上も母上も俯いたまま何も言わない。言い過ぎたかなとは思うが譲れない。


「私は、クノン叔母上様がザカラン王子様の称第一王妃になられることに何の異存もないのです。むしろ、クノン叔母上様こそが我が王国の国権第一位の女性の御位に最も相応しいお方だと思っています。」



「…そなたの言う通りだ。父は国王になる資格なんてない男だ。そなたがそう言うならば、もう反対しない。父からもザカラン王子にそなたの気持ちを伝えておく。」





そうして、半年後、漸く私はザカラン王子様の第二妃予定の婚約者に内定したのだった。

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