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489.彼女のこたえ SIDE:クノン 4

私は、ザカラン王子ではなく、フィアレアラとお付き合いしている気でいた。だって、ザカラン王子にお付き合いして欲しいなんて言われないし、フィアレアラはボランティア活動で人前に出る時以外はいつもフィアレアラだった。私と夜を過ごしている時もザカラン王子になることなかった。


私がそう言うと、フィアレアラは目を丸くして驚いている。ザカラン王子ことフィアランは、何度も私に愛していると言ったと。だが、私は、フィアレアラが言ってくれていると思っていた。フィアレアラのフィアランが。ザカラン王子ではなく。


「…。」


「…。」


つまりは、お互いの認識がズレていたのだ。私は、ザカラン王子のことをフィアレアラとフィアランとは別人だと思っていた。だが、フィアレアラは、ザカラン王子として私と付き合っていたらしいのだ。


「私が悪いのですね。私が王国の王族王子C・ザカラン・F・レリ・アールになった時に、あなたにお付き合いを申し込むべきでした。


えっと…。

クノン、もしかして、フィアレアラと付き合っているからとザカランを振るつもりなのですか?」


フィアレアラは、急に泣きそうな顔をしてそう言った。


「クノンに振られたら、私は、もうクノンのところに来れなくなります。私は、あなたに相応しい身分を得るために王国の隠し子王子となったのです。フィアレアラでは王国の王女であるあなたを妃に出来ません。」


「それは違います。既婚歴のある私は、ザカラン王太従弟の妃に相応しくない女なのです。」


ザカラン王子は、複数の妃を迎え入れ、複数の五星の子を得る必要がある。私は、五星の子を産めない上に、ランセルの第一王妃だった女だ。年齢も親子ほど離れている。そんな私はザカランの称第一王妃なんて無理だ。フェリオ様の婚約者レリーリアラ・マ・イーデアルだった前世とは違う。第一王妃ならば五星の子を得ることを求められる。それの出来ない私は国民の支持なんて得られない。ランセルの第一王妃だった時も第一王子が四星で辛い思いをした。私は、フィアレアラと一緒にいれたらそれでいいのだ。だからザカラン王子の妃になるつもりはない。ザカラン王子の妃達が子を得る姿をただ見るだけしか出来ない称第一王妃なんて最悪だ。何故フィアレアラは、私がザカラン王子の妃にしたいのか分からない。私が一番相応しくない地位なんて要らない。


「ならば、この国を捨てますか?私はあなたを得るために、我が帝国の皇帝となりましょう。この国を我が帝国の属国として服従させ、王女であるあなたを我が帝国に連れ帰りましょう。あなたの兄が私に勝てると思っているのですか?私がこの国を焦土に出来ないとお思いですか?あなたの兄程度の五星が何人いようが私の敵ではありません。」


フィアレアラは、私がフィアレアラの妃になるためには、そうするしかないと言っているが、

彼女がそんなことをするはずない。つまりは、私はフィアレアラの妃にはなれないと言いたいのだ。だからザカランの妃になるしかないのだと。再び涙が溢れだす。やっぱり私はフィアレアラと付き合い続けるのは無理なのだと。


「冗談です。ですが、それくらいの覚悟ならばあるということです。愛するあなたを私の妃にして何がいけないのですか?MRの異なる両親から低い方のMRの子供が生まれるのは普通のことです。

責任感の強いあなたは、五星の子を得ることの出来ない自分はザカランの妃に相応しくないとお思いかも知れませんが、それは違います。

王家王族五星の場合、国の未来に関わることですが、それ故、王家王族は複数の配偶者が認められているのです。私がいなければ、あなたの兄は何人妃を娶らされたのですか?クララ以外の王家王族五星を得るまで何人でも、ですよね?イーデアル公爵とサザリーナンダ公爵が自分達の五星の娘達をあなたの兄の妃に差し出そうとしていたことくらい知っています。

つまりは、王家王族五星の子を得る責任ならば、一人の妃が負うことはないのです。

そして、第一王妃の役割は、五星の子を得ることだけではありません。王の側で王を支え、国を守ることが一番大切なのです。あなたは、ランセルの第一王妃としても、クノハの時代は前第一王妃として母親を支え、国を守ってきたではありませんか。それを他ではないあなた自身が否定するのですか?第一王妃に相応しくないことだったと、そう思うのですか?」


泣く私をフィアレアラは優しく抱きしめてくれた。私が落ち着くまで優しく、優しく…。


「あなたは、誰よりも第一王妃に相応しい方です。あなたを頼りにしない者はこの国にいません。ザカランも同じです。」


フィアレアラは、ザカランの姿になり、おそらくもう一度改めてプロポーズを…、プロポーズを、プロポーズをしてくれようとしたところで、ハッっと気付いた。…フィアレアラの服を着ていることに。

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