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488.彼女のこたえ SIDE:クノン 3

フィアレアラの気持ちが分からない。私のお誕生日の前日に会う予定をキャンセルされてしまった。しかも彼女はザカラン王子からの伝言で伝えてきたのだ。私の部屋に行かないと。


やはりそうだ。フィアレアラは私をザカラン王子の妃にするために私と別れるつもりだ。悲しくて涙が溢れそうになるが泣いてはいけないと己を律し、目頭を押さえ、自己回復魔法を送る。


明日は私のお誕生日パーティーなのに泣き腫らした目ではパーティーに出席出来ない。王女としてのプライドと威厳にかけて、他人に弱みを見せることは出来ない。大丈夫だ。無表情も作り笑いも得意だ。幼い子供の頃から己の気持ちを他人に察っせられてはいけないと練習してきた。


睡眠促進効果のあるアロマでリラックスし、目を閉じれば、すぐに眠気に襲われた。どうやら思ったよりもたくさん魔力を使っていたようだ。笑ってしまった。所詮、私は四星のショボい魔力量しかないと。すぐに底につき、何も出来なくなる。五星の方を支える影。前世は、夫のフェリオ様やフィオナ様、娘のアリアレイア。今世は、夫のランセル、母親のクノハ。彼らの手足頭脳となるだけの影…。寝…よ…う。何も…考え…たく…な…い…。


……………………………



翌日のお誕生日パーティー。彼はなんと途中退出してしまった。これがもしかしたらフィアレアラの答えなのかと、悪い方向に考えてしまう。ザカラン王子を受け入れないならば、もう私なんて要らないのだという。私の代わりならばたくさんいる。しかも私はもう五星の子を産めないのだ。



最悪のお誕生日から、2日経ち、今日はいつも通りフィアレアラが私の部屋に来てくれる。


「いらっしゃい、フィアレアラ。」


平常心を心掛け、彼女を迎える。ぎこちない笑顔にはなってないだろうか?だが、もしかしたら別れを告げられるかも知れないとの不安と哀しみからいつも通りの笑顔が作れない。フィアレアラは、何も言わずに下を見ながら黙々と私の用意したお夜食を食べている。私も、何を言えばいいのか分からず、黙ってただ彼女を見ていた。


「ごちそうさまでした。」


そう言って顔をあげた彼女を見る。聞きたいことならばたくさんある。彼女から別れを告げられる前に理由を聞きたい。もし、先に別れを告げられたら、私は、何も聞けなくなってしまう。



「フィアレアラ、ザカラン王子が学校を欠席していると連絡が入ってます。

…私のせいですか?」


彼女は何も答えない。しばらく待ったが下を向き黙ったままだ。


「ザカラン王子のお返事に一週間待って欲しいと言いましたが、一週間〈以内〉に返事をすると言う意味だったのです。


フィアレアラにザカラン王子のことを相談してから返事をするつもりでした。


私は…、

私は…、

私のお誕生日の前日にいつも通りフィアレアラが私の部屋に来てくれるのだと思ってました。


ザカラン王子のプロポーズを受け入れても受け入れなくても、どちらにしても私はもうフィアレアラに会えなくなるのですか?今日、フィアレアラが私の部屋に来たのは、私に別れを告げるためですか?」


私は泣きながらそう言った。


「待って下さい。何故私がクノンに別れを告げないといけないのですか?どうしてそうなるのか意味が分かりません。」


理由を聞きたいのは、私の方だ。何故、先週の闇の曜日、ザカラン王子だけだったのか?ザカラン王子は、フィアレアラとは違う、フィアレアラはもう王国には来ないという意味だったのか?私はそのことをフィアレアラに聞きたくて、お誕生日の前日フィアレアラを待っていた。ところが、フィアレアラは、ザカラン王子からの伝言で(私の部屋に)行かないと伝えたのだ。私はそれがフィアレアラの答えだと思った。フィアレアラは私と別れるつもりなのだと。私をザカラン王子の妃にするためにフィアレアラは私を振ったのだと。私は泣きながらフィアレアラに訴えた。


「全然意味が分かりません。クノンは、フィアレアラの私はザカランではないと思っているのですか?クノンはザカランの私と付き合っているのではないのですか?」


「えっ?」


驚く私にフィアレアラが驚いている。


「帝国の壱の宮家の皇姪皇女フィアレアラ・マティスでは、王国の王家の第一王女であるあなたを妃にすることは出来ません。だから私はザカラン王子になったのです。私の妃になってもらうために。あなたは、なぞの少年F、フィアランとしてのザカランとずっと一緒だったではないですか。帝国の皇姪皇女のフィアレアラではなく。もちろん、フィアレアラの魔力の方が便利でしたから、フィアレアラにもなりましたが、基本的に私は、フィアランでした。」


留学を終えて帝国に帰国したはずの壱の宮家の皇姪皇女フィアレアラ・マティス殿下が我が王国にいてはまずいので、なぞの少年Fくんとしているのだと思っていた。私と一緒にいるのは我が王国の隠し子王子とするために。


「そうですよ。クノンは、その隠し子王子と付き合っていたのではないのですか?私はそのつもりでいました。だから先週ザカランである私の限界を見てもらったのです。フィアレアラは、帝国の皇女で、ザカランとは違いますから。まぁ、ですが、私が私であることに違いありません。私は、フィアレアラとザカランであり、それからフィオナとフェリオです。かつてレリーリアラがフェリオとフィオナの妃になってくれたように、クノンも私とザカランの両方を受け入れ付き合ってくれているのだと思ってました。」


私は、ザカラン王子ではなく、フィアレアラとお付き合いしている気でいた。二人を別人だと思っていたのだ。

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