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487.彼女のこたえ SIDE:クノン 2

2時間半ほど北限孤児院に滞在し、次の孤児院に行く。あの前世レオン王子様の入っていた孤児院だ。ここでは昼食作りのお手伝いをし、孤児達と一緒にお昼ご飯をいただいた。この孤児院は、器用な子供達が多く、竹細工製品を院の経営費用の一部に充てている。ザカラン王子は、お土産に食糧と竹を渡していた。私は何も持っていないのに、と文句タラタラだ。そして、それは次の孤児院でも同じだった。


3ヶ所の孤児院を回ったところで今日は終わり。再び転移魔法を繰り返し王宮に戻ってきた。



「クノン王女様。今日は、ぼくのボランティア活動にご協力下さり、ありがとうございました。

クノン王女様が、ノーストキタの孤児院に行くならば、ご自身でも色々お土産を用意したかったとおっしゃってましたが、普通の五星のぼくは、フィアレアラと違ってクノン王女様のお持ちになりたいお土産を運べないのです。ぼくは、ぼくの魔力と相談しながら運べる限界の魔力があのお土産の量だったのです。

同じ一人二役でも前世のフィオナとフェリオと違って、帝国の皇女と王国の王子では使える魔力量が全く違います。ぼくは、前世の三分の一ほどの魔力量で生活することになります。

ぼくは、フィアレアラと違って、丸一日かけてあのボランティア活動で限界なのです。フィアレアラならばなんともないボランティア活動なのに。

クノン王女様は、ぼくにがっかりしましたか?期待外れだと。」


それは違う。ならば、二人で相談して持って行くお土産を決めればいいではないか。私ががっかりなのは、ザカラン王子の自分勝手な行動だ。一緒にボランティア活動するならば、事前に相談して欲しかった。


「そんな風に言わないで下さい。ザカラン王太従弟王子だからこそあそこまでのボランティア活動が出来るのです。いくら王家王族家系五星だったとしてもあれ程のことが出来る者はいないと分かってますわ。たとえ前世の娘アリアであったとしても。」


彼の欲しい返事ならば分かっている。自分の出来る限りの力を素直に私に見せたかっただけなのだと。私の気持ちなんて全く考えないで。


「ははっ。アリアですか?そうですね。アリアよりもぼくが上だと思いたいですね。ぼくには父親のプライドがありますから、娘には負けれません。

…本当は、負けてましたけれど。」


ぷっ、と笑ってしまった。フェリオ様ならばそんな言い方はしない。『そうだな。アリアはぼくよりも強い。』と面白みもなく淡々と言うはずだから。フェリオ様とも違うと思ってしまう。


そして、何故か、突然プロポーズされてしまった。帝国の皇族壱の宮家の皇姪皇女なんてショボい身分のフィアレアラでは他国の王家の第一王女様である私を妃に迎えることが出来ないと言って。


それは、つまり、フィアレアラとの関係が終わりだと言いたいのだろうか?かつてフィオナ様がレリーリアラに自分ではなくフェリオの妃になって欲しいと言ったように、フィアレアラは、フィアレアラと別れてザカラン王子の妃になって欲しいと言っているのだろうか?


かつてフェリオ様が婚約者レリーリアラに渡したのと同じデザインの指輪を差し出されたが混乱して受け取ることが出来ない。私が付き合っているのは、フィアレアラであって、ザカラン王子ではない。


フィアレアラの気持ちを聞いてからでないと、ザカラン王子のプロポーズを受け入れることは出来ない。


私は「一週間だけ返事を待って欲しい。」としか言えなかった。

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