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477.不満だらけの女たち SIDE:リマリーエ 3

国の未来を思うならば、私は、ハウル第二王子殿下の婚約者になるべきだろう。五星の家系は、父方優勢遺伝する。私がハウル第二王子殿下と婚約し、ナンダン王族家系五星の子供は、我がサザリーナンダに帰るのが一番いい。頭の中ではそれが正しく、そうあるべきだと分かっている。


だけど、だけど、だけど…。


私は、フィアレアラ様が好きなのだ。彼女に別れを告げられた今も彼女への想いを断ち切れない。ザカラン王子殿下がフィアレアラ様ならば、私は、ハウル第二王子殿下ではなく、ザカラン王子殿下の妃になりたい。好きな人の妃になれるならば、私は側妃だろうが何番目の妃だろうがなんでもいい。


クララ王女殿下も私と同じ気持ちだ。フィアレアラ様は、私とクララ王女殿下と別れた後、クノン前第一王妃陛下とおつき合いしていた。言うなれば、クノン前第一王妃陛下とおつき合いするために彼女は私達を振ったのだ。なのに、それでも私達は二人ともフィアレアラ様が好きなままなのだ。


婚姻歴のあるクノン前第一王妃陛下は、フィアレアラ様であるザカラン王子殿下のご正妃にはなれない。ならば、そのご正妃に私達はなりたいのだ。振られたクセに。


もはやため息しか出ない。


昨年のあの大事件の時に、フィアレアラ様は、何故ザカラン王子様として、我が王国に戻って来たのか説明するとおっしゃった。なのに、実際は、クララ王女殿下から説明してもらっただけで、フィアレアラ様からは何の説明もなかった。

自領の回復を手伝った後、王都に戻った私を待っていたのは、ザカラン王子殿下がフィアレアラ様だと絶対に言ってはならないとのクノハ国王陛下の御命令だった。しかも、学校でザカラン王子殿下に、サザリーナンダ公爵家の五星令嬢である私は話しかけることも禁止された。ザカラン王子殿下は男性で、側近候補は同性であるイットー侯爵家の四星嫡男バッシュと貴族令息達だ、と。異性の貴族令嬢は、ザカラン王子殿下に近付いてはいけない、と。そう釘を刺されたのだ。



男女関係なく仲良く遊んでいいのは、初等学校の児童まで。中等学校の生徒になれば男子は男子、女子は女子としか話さなくなる。貴族子息令嬢の婚約は早い。初等学校の子供時代から既に婚約者がいる者もいる。ましてや高等学校の学生ともなれば、ほとんどの貴族令嬢令息には婚約者がいるのだ。変なウワサにならないように異性に話しかけてはいけないのがお約束なのだ。わざわざ釘を刺さなくてもそのくらい分かっている。


分かってはいるが淋しい。


別れたとはいえ私は彼女とおつき合いしていた。留学時代の三年間クラスメートとして仲良くしていただいた。学校生活も、我がサザリーナンダ公爵領をご案内した時も、デートも、何もかもとても楽しいいい思い出だ。


なのに、なのに…。


ザカラン王子殿下は、フィアレアラ様ではないと言われても、彼は彼女だ。魔法で少し外見を変えているが、フィアレアラ様だと思ってザカラン王子殿下を見れば、フィアレアラ様御本人だとしか思えない。フィアレアラ様とは少し眉毛の形と太さが違うだけ、フィアレアラ様と少し目が違うだけ、フィアレアラ様と少し口の形を変えてるだけ、お顔の全部のパーツをほんの少しだけいじっているだけなのだ。私からすれば何故皆フィアレアラ様だと気付かないのか不思議なくらいだ。


はぁ~、とまた深くため息をつく。


ソウル第一王子殿下とメリッサ様の御婚約が決まり、ウワサ話好きの貴族夫人の次のターゲットは、クララ王女殿下とザカラン王甥殿下、それに私とハウル第二王子殿下となるだろう。


はぁ~。


ため息がとまらない。


ザカラン王子殿下の御婚約者の第一候補は、クララ王女殿下だ。クララ王女殿下は、ザカラン王子殿下であるフィアレアラ様が好きだ。ザカラン王子殿下の妃になりたいと言っていたのに、お二人の御婚約が決まらないのは、ザカラン王子殿下が首を縦に振らないからだ。おそらく、フィアレアラ様は、おつき合いしているクノン前第一王妃陛下の姪っ子王女殿下のクララ王女殿下を御婚約者に出来ないでいると思われる。ならば、御婚約者第二候補の私のところにお話がきてもいいのだが、お父様はまだ王家から何の申し出がない、とおっしゃっていた。それは、クララ王女殿下がザカラン王子殿下の御婚約者になることを諦めないからだ。


はぁ~。


クララ王女殿下がザカラン王子殿下と御婚約すれば、私は、ハウル第二王子殿下と婚約することになるだろう。だが、クララ王女殿下とザカラン王子殿下が御婚約しなければ、高確率で私がザカラン王子殿下の御婚約者になる。


はぁ~。


ザカラン王子殿下に、自分の気持ちを伝え、御婚約者になりたいと御本人に直接アピールしたいが、私は、彼に話しかけることを禁止されている。


はぁ~。 


同じ学校、同じクラス、すぐそこにあのお方はいるのに、見ることしか出来ないのが悲しい。

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