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476.不満だらけの女たち SIDE:リマリーエ 2

「お父様、お父様。今日の国民発表になった王家第一王子ソウル殿下とウェスターナル公爵家のメリッサ様との御婚約についてお伺いしたいのですが?」


「なんだ?父は、帰宅したばかりなのにいきなり。上層会議でのことならば、家族に言えないのは分かっているだろう?国民発表になっていること以上の話が知りたいのならば、父ではなくメリッサ嬢に聞くしかない。」 


「…はい。申し訳ありません、お父様。」


秘密にしなければならないような悪いお知らせではなくおめでたいニュースなので何か教えてくれるかと思ったが、ダメだった。残念だが仕方ない。がっかりして引き下がる。


「リマリーエ。詳しくは言えぬが、お二人の御婚約は誰も反対することなく決まったのは確かだ。特に、ソウル第一王子殿下の後見人の北家殿は、願ってもない良縁だ、自領を守るお父上様にいい報告が出来ると嬉し涙を流して喜んでおられた。双方望まれての御婚約である。」


「はい。ありがとうございます。お父様。」


お父様は笑顔でそうおっしゃったが、その後、すぐに下を向いてボソボソと話し出した。


「第一王子ソウル殿下の御婚約はめでたく決まったが、王家王族には、お前の年齢に合う王子様がまだお二人いらっしゃる。もし我がサザリーナンダ公爵家にも王家より婚約の申し出があれば、父は断われない。故に、お二人の王子様方の御婚約者が決まるまで、父はお前の婚約者を決めずに待たねばならぬ。高等学校にもなって未だ婚約者が決まってないとは申し訳ないが、そのつもりでいるように。」


「はい。お父様。」


「父の責任を娘のお前に押し付けるようになるやも知れぬ。許してくれ、リマリーエ。」


「公爵家の五星令嬢として生まれたからには、国家のために尽くす覚悟ならば持ってます。謝罪は要りません。親が婚約者を決めるのは、普通のことです。」


「…ああ。

お前もカナリーエも、父にはもったいないくらいのよくできた自慢の娘たちだ。お前がクノハ国王陛下から学んだ魔法の技術は、我がサザリーナンダ公爵家だけでなく、王国の未来を支える力となるであろう。お前には感謝しかない。」


お父様はそうおっしゃって泣いている。少し前までのお父様は、亭主関白の強引なお方だった。だが、最近のお父様は涙脆い。私の魔力はもうすぐお父様を抜く。幼い頃、大きくて怖いと思っていたお父様が、今は小さく感じてしまう。


私は、「失礼致します」と申し上げると、お父様に頭を下げて部屋を出た。

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