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Lone Wolves  作者: 中野震斗
朧月會編
91/108

Episode91狼の王

我妻は刺刀一誠という人物にはあったことはない、だがこの不良の界隈で知らぬものは存在しないといわれるほど凶暴で、残酷で、そして今目の前にいる男のように狂気じみているということ


須永は自身のリミッターを外したかのように情人離れした速度で殴る蹴るを繰り返す


(クソッ!こんな早いならほかのスポーツやれや!)

「クソがぁー!」


先ほどまで防戦一方だった我妻がようやく反撃に須永にアッパーをくらわせる


思わずよろけてしまう須永


(しまった!)


我妻は須永の胸ぐらを掴む、繰り出したのは背負い投げだった


二度目の背骨へのダメージ、流石の須永も耐え難い状況だった


(クソッ!ここでこいつを倒さないとなのに!)


何とか体を起こすも後ろから追撃が入る


「須永ぁ!ここで終わりだぁ!」


我妻が後ろから須永を蹴る、須永は力なく倒れた…


(どうしよう…もう…あと一発…あいつにぶち込めば…倒せるはずなのに…)


須永は生まれて初めて敗北感を味わった






これまで様々な敵と戦った、一番苦戦を強いられたのは戸神兄弟か聖だろうか…武器が強力だった冨居も印象深い。


しかしそんな不良人生で彼は一度も敗北をしたことがない、喧嘩を本能で行っている…それはなんとなくで戦えていた、彼には才能があったのだ


それは今や、多少の努力はしてきたものの喧嘩をスポーツ感覚で楽しむ…所謂異常者な彼は喧嘩に勝つことに優越感を覚えていたのだろう、一見性格の悪そうに思えるが他の不良とは違い誰にも迷惑はかけていないということだ、もっとも喧嘩を売った側はボコボコ、他の構成員も喧嘩に利用されるが…


喧嘩に負けるということは考えていたはず、負けがあってこそ勝ちがあってこその戦いなのだから




(………考えを改めないと、僕は何なんだ?)

(喧嘩をスポーツか何かと勘違いしてしまってる、そもそも喧嘩なんて学生時代にしか、僕みたいな人間はしないだろう)


(じゃあ何だ、だからと言って本気でやらなくていいということか?)


須永は思う、それは違うと


(違う…僕は…)


須永はまた起き上がる


「おいおい、こいつどんだけタフなんだよ…」


「僕は…喧嘩が好きだ…」


我妻は鼻で笑う


「だから?」


「だから」


須永はすぐさま我妻にとびかかる


「本気で行こう」


そして我妻の顔面を思い切り殴った


血しぶきが飛び散り我妻も倒れる、奴も体力の限界が来ていたのだ


そして倒れた我妻が言う


「須永…お前は強いし凶暴だ」

「言うなれば…」


我妻は負けたはずなのにすがすがしい顔をしていた


(あぁ…こいつ…おもしれな)


「狼の王…だな」

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