過去編~帰宅、そしてお風呂掃除続行~
邪馬2651年 3月13日 晴、16:45
「ただいま」
買い物から帰ってきたときにわたしは恵子さんに帰ってきたということを告げる。少し重たい買い物袋を玄関の床のほうにおく。それと同時に穂刈さんから手も離れ、それと同時に両手のほうから痛みというよりしびれがピリピリしてきた。それを払いのける意味もかねての手を振る。穂刈さんも床に荷物を荷物を置き、わたしのほうに視線を向けて
「麻美ちゃん、先に行ってていいからね。」
「ありがとう。それじゃ行ってきます。」
わたしはだらしないかもしれないけど、靴を大雑把に脱いでからそしてお風呂場に行き明かりを点けた。
「あら、おかえりなさい、遅かったのね。」
わたしは後ろにいる恵子さんに振り向いて、頭を下げて
「ごめんなさい、遅くなりました。」
「いいのよ。それじゃ続きやりましょ。今日はさすがにお風呂入らないと臭くなるわよ?」
恵子さんは大げさに鼻に手をぎゅっと掴みながらやっていた。もちろんわたしもそのつもりであった。そして、ちょうど明かりが全開になったときに、タワシをもって左手のほうの壁側を掃除し始めた。
「麻美ちゃん手伝うよ~」
なかなか壁の汚れが落ちなく四苦八苦しているところにちょうど穂刈さんが、先ほど買ってきた洗剤をタワシにつけてながら風呂場の戸を開けてきた。マスクと防護眼鏡をかけながら、両手にはゴムのピンクの手袋をしてわたしのほうに加勢してきた。
「え?でもこれ手伝うと修行にならないんじゃ…?」
困惑するわたしに、穂刈さんは意に介さずに
「いいからいいから。それと眼鏡をかけないと病気になるよ」
と、一緒に床のほうに掃除してきた。当然わたしにもマスクと子供用の防護眼鏡をかけて手伝ってきた。今回は穂刈さんに色々やってくれたし素直に行為に甘んじておいた。あとで恵子さんに謝っておこうと思った。
2人もいるので徐々に綺麗になっていく風呂場、思わず感心して動きを止めてしまうわたしだった。それを見計らったかどうかは知らないが、風呂桶を掃除している穂刈さんが後ろ姿のままわたしに語り掛けてきた。
「麻美ちゃん、黙ったまま聞いてくれる?」
「うん、わかった。」
言ったそばから言ってしまった。次から気を付けよう。穂刈さんは気にすることもなく、続けていき。
「恵子からこの修行を受けているのを見て、恵子らしいなと思ったよ。それに恵子の修行は結構特徴的だけど、必死について行ってくれるといいかもしれない。それに彼女は不器用だから、いろいろ理不尽なことが起きるかもしれないけど、それは麻美ちゃんのことを思って、だから。まあ少し意地悪なところあるかもしれないけど、意固地や怒ったりしないでね。恵子は…恵子は…恵子だから…。」
ここでわかった、と言えばいいのだろうか。だが、相手に黙ってくれと言ったのでわたしは黙り込んだまま、こくりと頷いて、残った部位の掃除をした。そして、これの1時間もたたないうちに、お風呂場の掃除は終わったのだった。




