過去編~昼食後に穂刈さんとデート?~
邪馬2651年 3月13日 晴天 14:29
「あ、この後ろ姿は麻美ちゃんだよね。」
空を見上げて満腹の余韻に浸っていると後ろから話しかけられた。わたしは声のする方向の後ろに振り向くと、右手で手を振る目を細め笑みを浮かべる穂刈さんの姿があった。
左手には、大き目な黒のボストンバッグを手にしていた。
「やっほー。麻美ちゃん、何してるの?」
「今昼ご飯食べ終わってこれから買い物に行くところ。ほら、神社に住むから生活用品とか買い揃えないと。」
「そっかそっか。これから神社に住むもんね。なら私も付き合うよ。荷物持ちなら任せて。それにこの付近の道は分からないよね?だから道案内も含めてするから。」
「!?」
思わずえっ、と思ってしまった。
一人で自分の身の回りを整理しようと思っていたからだ。だから手伝ってくれるのは大変有り難がったと同時にこんな自分のために少し申し訳ないと思った。その気持ちを穂刈さんは察したかどうかはわからないが、右手でわたしの手を掴みながら
「難しいこと考えないでそのまま行こう!」
と、わたしを引っ張って商店街の奥に奥に、と、引っ張りながら歩いていた。まるではたから見れば、”きょうだい”みたいな感じだ。
[ほんと押しが強い人だなあ…。]
(好かれてるんだよ、君は嫌いじゃないでしょ?だからこの際好意に甘えよう)
[もう、中山君いつもそれだ。わかった。]
と、内心で頭が上がらない中山君とのやりとりをしていると、穂刈さんがわたしに話しかけてきた。
「麻美ちゃん、昼ご飯どこで食べたの?」
「えっと、昨日の爆発あったところの近くに定食屋があったから、そこで食べてた。カレーが多すぎて困った困った。」
「あー、『定食屋いのまた』で食べてきたのね。」
「えっと…。」
正直言って目についた定食屋だったから名前は把握してなかった。だけどわたしよりも長くこの街にいる穂刈さんなら、この名称はあっていると思う。ただ『定食屋いのまた」って…、なんとなく豚の名前通りで思わず笑みが浮かんでしまう。失礼だと重々勝利の上だが、それでも笑みが浮かんでしまうのだから仕方ない。
そんな様子を見た穂刈さんはわたしの左頬に右手の人差し指で2,3回ほど突っついてきた。
「麻美ちゃん、顔が緩んでるよ!?さては、あの店長のことを浮かんだね?」
あまりにも図星だったのでわたしは否定せず、そのまま無言で2回ぐらいこくりと頷く。
「ははは、やっぱりね。まああの図体を浮かぶとそう来るか。まああの店長はまあ悪い人じゃないよ。昔からよくしてもらったし。3人でよく食べに行ってたなあ…。」
どこか懐かしむかのように目を細める穂刈さんを見てわたしは、穂刈さんの右手をまた繋ぎながら。
「また今度機会があったらみんなで食べに行こう!」
と、わたしはぎゅっと掴みながら、穂刈さんに、自分に言い聞かせるかのように言ったのだった。




