過去編~定食屋でお食事~
邪馬2651年 3月13日 日差しが出てくる曇り 13:27
外にて食べるといってもほかに行く場所は思い浮かばないので商店街に行くことにした。
本来ならばもっといろんなところに行くべきだろうが、修行の身であることや帰りが遅くなったりすることはもちろん、ほかの化け物に出会うことによって身の危険を感じたらなすすべがないということもある。前回はたまたま助けてもらったものの、今度も同じことが起こるとは考えにくく、そのために商店街に行くことにした。もちろん商店街でも遭遇する可能性もゼロではないが、それでも遠出して道に迷い、その時に根拠はないが襲われるよりは大いにましと思ったのだ。
商店街に着くと昨日爆発を起こしたコーヒーショップとその付近には非常線が張られ警察と黒い背広を着ている人に、白のパーカーをに青のジーンズを着ている私服姿の穂刈さんの姿があった。話しかけるのも躊躇われたので、近くにあった開店している定食屋に目が入った。
定食屋のメニューは色とりどりで、カレーに、かつ丼、麺類はラーメン、うどん、お蕎麦、そして、ハンバーグのついたお子様セット。それもすべてお手頃の値段が置いてあった。
もちろんこの世界の賃金に対しての物価についてはわからないが、このお店に至っては、日本にいたときの定価の10分の1ぐらいだった。
幸いわたしの手元には昨日白髪のおじさんに手渡された日本で稼いだお金をこの世界に自動的に換金できるカードを持っている。ただ金が金だけに、大金を持っているような状態であるため、誰かに目につけられて誘拐でもされたらなすすべがないため大事に使いながら、大人の身体になれば、しっかりと稼ごうと思ったものだ。もちろん、この大金に関しては誰にも言わないでおくつもりだが――ただ恵子さんは心で読めるためバレてそうだが。
(どれにする?)
[カレーにしようかなあ。中山君も同じでいい?]
(こっちは大丈夫、君に任せるよ。)
中に入ると定食屋は、昼時とはいえ昨日の今日だからかどうかはわからないが、座席が三十近くあるにも関わらず、人気がなかった。見渡す限りわたしを入れて6人ぐらいか。
「へい、いらっしゃい。ってなんだガキんちょか。」
カウンター席からは店長らしき人物に声をかけられた。
なぜ店長かと思ったのかというと偏見かもしれないが偉そう腕を組んでいたのだ。言いぐさにもちょっとイラときたが、実際子供の身体だから仕方ない。さらに店員はほかに人はいないのもある。だからわたしは店長だなって思った。――あとで知ったところによると実際一人店員兼店長だったわけだが。
ただ、先日のハンバーガーショップと言い、このお店と言い、動物人間が店員をしていた。
今回はおそらく豚だろう。顔はいわゆる普通の豚顔で豚鼻、顔のほうの耳がひらひらしている、ただ鋭い牙が二つ、左右の下あごから上に向かって突き出している。
さすがにこれ以上まじまじと見ると失礼と思ったので、わたしは座ると同時に
「野菜カレーをください。」
と言った。さすがに視線を見つめないのは失礼だと思ったのでまじめに顔を合わせる。
「金は持ってるんだろうな?」
「持ってます。ここに。」
「金はあるようだな。だが、俺のところのカレーは辛いぞ。子供に食えるのか?俺はお子様ランチがおすすめするぞ。」
疑う店長。声に威圧感がある。わたしは負け時にカレーの代金である45円をポケットから取り出した。もちろんカードを取り出すと面倒なことになりそうなので、カードを取り出さないで心の中で念じてお金を取り出す。ある意味財布便利なである。
さらに子供扱いされたので負けじとわたしは真剣な目つきで
「どんな風に辛いかわかりませんが食べられます。」
自分に言い聞かせるかのように頷きながら、店長に言った。
これで納得したのかどうかはわからないが、店長はカレーの準備をしていた。
そしてわたしはカレーが来るまでの間、お冷を飲みながら、このお店でゆっくりすることにした。
財布カードについては、第13話の「過去編~白髪のおじさんとからプレゼントもらいました~」
を見るとどういう経緯かはわかるかと思います。
改めてよろしくお願いします。




