過去編~風呂掃除の一休みのやりとり~
邪馬2651年 3月13日 比較的明るい曇り 12:55
お腹の鳴った音が部屋の中を鳴り響く。
わたしはその音に顔を紅潮してしまう。日本にいたときはそんなにわかりやすい大きな音出した覚えはないのにも関わらずだ。
「あら。かわいい音。まあ無理もないよね。昨日の夕飯から煎餅しか食べてないものよね。」
口元に笑いを隠しながらくすくす笑う恵子さんの言うとおりである。当然のことながら煎餅だけでは腹持ちはしないのだから私の腹は情けない音を出していた。もちろん当の私もさすがに腹が減ってしまっていたので、恵子さんのほうに頷く。
「うん、確かにおなか空いたけど…。ご飯はさすがにダメとか?」
修行を受けている身、謙虚に恵子さんのほうに視線を向けて確かめる。もちろん駄目、といったら駄目でいいとも考えていた。
「誰が駄目というのよ。私は昨日言ったように食事も修行の一つ。ちゃんと三食食べるように、って言ったから。だから安心なさい。」
恵子さんは昨日の言ったことを忘れたわけではない様子にわたしは安堵の息を小さく吐き出して。
「ありがとうございます。ついでに、帰りちょっと遅くなるけど大丈夫?さすがにご飯を買わないと…」
「ん、いいわよ。けどどうしようかな。」
腕を組み、顎に右手で何かしら考えている様子だったが、数秒ぐらいとすぐに気持ちを切り替えた恵子さんは、恵子さんは続けて
「わかったわ。任せるわよ。ただ真希も来るからあんまり遅くならないようにね。」
「了解です。それでは行ってきます。」
「うん、いってらっしゃい。」
そこは「はい。わかりました。」と言うべきだろうが、つい日本にいたときの職業柄の口癖で言ってしまったのは言った後にはっとした。だが、恵子さんは気にしない様子で手を振りながら私が出ていくのを大鳥居まで見送ってくれたのだった。




