過去編~お風呂場掃除修行~
邪馬2651年 3月13日 曇り 9:05
少し汚い話になります。注意してください。
修行といっても恵子さんがわたしにしてきたのは、まずは風呂場の掃除だった。最初聞いたときは思わずキョトンとしてしまったくらいのだが、気を取り直して掃除にかかる。
おおよそ10年以上放置されていた風呂場は正直言ってしんどかった。
蜘蛛の巣だか埃だがわからないが糸を引いているし、部屋のところどころがカビも生えている。マスク越しでもわかる匂いも独特。最初に入ったとき色んな意味で身震いしたものだ。こりゃ骨が折れるなと思う。幸か不幸か、幸いにも水回りや灯りがまだ生きていたため――といっても完全に灯りがともるまで時間が4、5分かかったが。真っ暗というわけでもない。
日本にいたときから普段日常的に掃除や整理整頓する癖なかったし、この身体からこの掃除するのはすごくしんどかった。この際日ごろから整理整頓するような癖をつければよかったな、と改めて思う
(まあしょうがない。とりあえず今は目の前のことに集中しよう。)
中山君はフォローになってないフォローしてくれたが、わたしも思っているため、呼応するかのようにとりあえず掃除。最初に天井を片付けようと思ったものだ。いったん近くにあった椅子で脚立代わりにして掃除していた。
天井の掃除が一段落終わり、壁の掃除に手を付けていると
「今どんな感じかしら?」
恵子さんがひょっこりと顔を出してきた。文字通り顔を出したからはっきり言って心臓に悪い。わたしは椅子から落ちて尻餅ついてしまった。
「い…っつつっ…。あー、もう、びっくりした。頼むから驚かさないでくださいよ。」
「あー、ごめん。ごめん。」
ウインクしながらにこりと笑って謝る恵子さん。これ反省してない人の特徴だ。
今の出来事で少し疲れが出てきた。それにお腹も空いてきたかもしれない。それで同時に疑問に思ったことを恵子さんにぶつける。
「それは良いんですが、これと修行の関係性は?」
ただ別に怒ってはいないし、普通に疑問形である。
後でお風呂に入れるというわたしの勝手な前提になっているし、入れなかったら少しイラッとするかもしれないけど。
「そうね。持久力と根気をつけさせる作業に入るわね。まあ終わったらお風呂に入って良いから。」
ありがたい言葉である。それを聞いたわたしは疲れが吹っ飛び頑張ろうと思った。
だが、身体は正直である、恥ずかしい話だが、身体が空腹に耐えかね、「ぐー」と、その場にいた人に聞こえるかのように鳴ってしまっていた。時間を見れば気がつけばとうに昼時の13:00に差し掛かろうとしていたのだった。




