過去編~修行といっても…~
邪馬2651年 3月13日 雨 8:48
朝食は普通に質素のモノだった。まあ正確にはここ数年誰も住んでいないのだから、食べられるものなんて限られている。それでも食べろというのだから、これも修行だと思う。
わたしは昨日まだ残っていた煎餅を4枚ほど全部頬張っただけだが。これが修行になるかどうかはわからないが、とりあえず身体つくりとして食事は理にかなっている。これとお茶を一緒に流し込むと朝食は終わり。ただほかに食べ物がないため、雨が止んだら外で買い出しに行こうと思う。
「さて、食事も終わったわけだし、早速修行第二弾。」
右手でピースするかのようにわたしのほうに向ける恵子さん。
それに呼応するかのようにごくりと固唾を飲み込むように緊張のわたし。恵子さんの出した第二弾の修行はなんと…
「じゃじゃん!お風呂場掃除してもらいます。」
「お、お風呂場掃除…?」
あっけに取られてしまった。まさかお風呂場掃除とは…。
「ほら、変な顔しないで、お風呂場掃除する。肝心の掃除用の道具は」
今恵子さんがピースした右手が人差し指で、指してきたのはわたしの後ろにあるいかにも掃除道具入れが入っていそうである木のロッカー…ではなくて、木の5段タンスだった。
「この3段目に新しい雑巾とかタワシとか、色々入ってるから取り出して掃除するといいわ。」
「…わかりました。」
少し困惑したわたしだったが、これも修行ということで、気持ちを切り替えて、タンスから雑巾とタワシを取り出し、お風呂場に向かって行った。
ちなみにここだけの話、わたしが好奇心に負けて木のロッカーをあけたものの中には何もなく、ただ普通にかび臭いロッカーだったという。




