過去編~黒崎さんの忠告~
邪馬2651年 3月12日 ぽつぽつと雨模様 18:42
わたしが大神の術を学びたいということを車の中で決意表明をした。それを聞いて納得したのか、黒崎さんは「そうか。」と、軽く一言を言ってからサイドブレーキを引いていた。穂刈さんは「わかった。それじゃ先に神社に行ってくる。」といって、魔法使いの帽子をかぶり、車から降りていった。案外そっけない感じがしたのは気のせいではないはず。
わたしも穂刈さんについていこうとした。そのときに黒崎さんに
「小野原さんちょっといいかな」
と、さっきとは違い少しトーン真剣な声で話しかけられた。わたしが黒崎さんのところに振り向くと、こう続けてきた。
「人助けはいいが、自分の身を大事にしてくれ。死んだら人助けできるものもできない。目先のことよりも自分のことが最優先、そうじゃないともっとほかの助けられる人も助けられなくなる。」
まるで表情が乏しいに近いがわたしには何かを訴えかけるかのような、真剣な感じでの話に、含みのある話をしてきた。結構心に来るものだなと思う。そういう考えと同時に相手の忠告に、素直に
「わかりました。」
としか言えなかった。なんとなくだけどこの人は穂刈さんとは別の意味で信用できそうな、そんな感じに思えたわたしは頷いた。そして続けながら
「黒崎さんでしたっけ?一緒に神社に行きませんか?」
と、黒崎さんを誘い、黒崎さんも軽く肯定するかのように頷き
「ああ、行こう」
と、二人して一緒に雨が降り始めだいぶ暗くなってきた神社への道を穂刈さんについていくように歩を進めたのだった。




