過去編~黒崎さんの車の中で~
邪馬2651年 3月12日 曇り 18:08
車の中でわたしと穂刈さん、そして黒崎さんの3人が乗っていた。穂刈さんは、魔法使いが使うような帽子を脱ぐと、地毛が茶色いのか、茶髪を団子みたいに丸めていた。さらに目はよくよく見ると綺麗な緑色の瞳をしている。なんとなくそれに目についたのだが、ほかに変わったところもなかったし、他人にあんまり興味もないのでわたしは特に突っ込むつもりはなかった。それよりもさっきから穂刈さんからの質問攻めがすごい。
「どこから来たの?」
とか
「親はどうしたの?」
とか
「今何歳?」
とか
「学校行ってるの?」
とか
いっぺんに言われると正直言って話に追い付かないし辟易する。だが、いくら子供の身体とは言え、頭は大人だった自分の頭は子供になっていないはずだ。途中黒崎さんが「おい、子供にそんなに質問攻めするな」と穂刈さんに忠告しているが、とうの穂刈さんは気にしないでいた。もちろんわたしもそのとき子ども扱いされると嫌だったので、素直に穂刈さんの質問に1つずつ答えて言った。
まず、どこから来たのかという問いに、わたしは素直に
「ここではない異世界から来た。日本というところ。」
言い終えると、2人は驚いたようにわたしのほうを見てきた。一人は黒崎さん。無言でみてくるが、明らかにこれは驚いた様子ではないかと思う。理由としては、後程わかったことだが、黒崎さんは驚くと瞬きが増える癖があるから、そういうことなのだ。すぐさま運転に戻るそれは、運転手故か。
とうの穂刈さんは、驚くと同時に興味がわき、身を乗り出しながら。
「すごい、ねえねえ、それってどんなところ?どんなところ?」
と、明らかに子供のようにはしゃいでいた。まあわたしも日本にいたときも外人さんがいたら同じような反応するんじゃないかと思い、ちょっと苦笑した。それでもとりあえず、相手の反応に「普通にこの世界とほとんど同じです。」
ありきたりな会話しかできなかった。それでも彼女は興奮したのか、「うんうん。そうなんだー。」と、いう目を細めてそういう納得するかのような反応をしていた。
続けて親や学校、年齢に関しては、その話題からの発展として
「親は素直に異世界にいたまま。だから自分は、親はいるけどいない、ということ。だから学校にも今は通ってないし、卒業はとっくにした。まあこの世界に来てから子供になってしまったから、あれだけど向こうにいたときの年齢は35…かなあ。」
こういうアバウトな返事になってしまいながらも、向こうは真剣に聞いてくれている。少し申し訳ない気持ちもあるが、とうのわたしはあんまり説明はうまいほうではないのだ。
「そっかそっか。35ということは私と同い年か。あ、ついでに事実上黒崎さんも35だし、35どうし、だね」
そのときわたしは少し驚いた、というか…穂刈さん、あなた、てっきり中学生だと思ったけど35歳なの!?黒崎さんも20代に見えるけど35なの?
と、言うことだった。




