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転生TS不老退魔巫女物語  作者: セミの鳴き声
過去編
16/38

過去編~黒崎さんとの出会い~

邪馬2651年 3月12日 晴 16:55

「大丈夫?怪我してない?」

わたしに走るかのように近寄ってきた少女は、第一声がわたしに対して心配そうに声をかける。値踏みするかのような気持ちはないが、見た限り、身長はわたしよりは上はもちろんのこと、身体の発育具合から主観的な年齢は小学生の高学年か中学生と思われた。


「ありがとうございます。助かりました。」

わたしはカマキリを退治してくれた相手に対して感謝の気持ちで深々とお辞儀をする。


「よかった。一人で帰られる?よかったら送って行こうか?」

なんて優しい人なのか、とわたしは思った。それで恥ずかしい話だが目頭が熱くなったって嬉しく思ったは覚えている。


「お願いします。」

と、我ながら恥ずかしいくらいにまた勢いよく頭を下げてしまった。


「わかった。一緒に行こう。お姫様はどこに住んでるのかな?」

(お姫様か…。周りから見ても女の子と見られているのか…。日本にいたときは、言われてたっけ?)

などとのほほんとした考えをしてしまうあたり、頭が余裕出来ているのか、はて。と、目を少し細めながら考えること推定2秒――主観的だけど。

「あ、えっと。わたしは…えっと、確か大神神社」


名前最初に浮かばなかった、それで少しワンクッションをおいきながらそう言い終えると穂刈さんは目をぱちくりとさせながら


「そう……。恵子のところか…」

何かしら思うところがあるのか、小声で言いながらも

「うん、わかった。」

と、短く返事。それとほぼ同時に紺色の車が到着した。

出てきたのは黒いスーツ姿の男性が車から降りてきた。あとは別動隊も、現場のほうに行き灰になったカマキリのところに行ったり、立ち入り禁止のテープ貼ったりとしていた。


「すまない。待たせた。」


黒い服を着た青年が急ぎ足でこちらに向かって申し訳なさそうに言う。見た感じ20代半ばだろう。そのあとすぐに魔法少女のほうに隠れて表情は見れなくなったが声は無表情に近い機械的な話し方。


「そんなに待っていないけどね。相変わらず早いことで。」

まるで相手をからかうかのような楽しそうな魔法少女の声に対して、青年は

「からかわないでくれ。ところでこの子は?」


という、おそらくからかわれてちょっとむっとしたんだろうか、先色の声色とはちょっと違う気がした。


「カマキリに襲われそうになった子。とりあえず怪我はないみたい。で、場所は大神神社に居候していると思う」

「そうか。」

短く言い終えると、わたしの正面に青年が来て、わたしのところに手を差し出してきた。

「紹介が遅れた。僕は退魔師協会”祓魔師の集い(エクソシスターズ)”の邪馬ノ国支部所属の黒崎護。君の名前は?」


相手が無機質ではあるが小動物に語り掛けるかのように自己紹介しているときにわたしは今でも失礼にあたるであろう内心の

[うわ、真っ黒で葬式の帰りか!]

という突っ込みをした。当然中山君はそれを放置することもなく。

(失礼だよ。とりあえず手を出しておかないと失礼だよ。)

[わかった。]

心の中でお互い言い終えると同時に、幼児から見れば手の大きい人に手を出して

「小野原麻美です。よろしくお願いします。」

こちらも同じように手を差し出していた。


こうしてわたしと黒崎さんは出会ったのだった。

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