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転生TS不老退魔巫女物語  作者: セミの鳴き声
過去編
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過去編~カマキリ魍魎~

邪馬2651年 3月12日 晴れ 15:28

後ろからガラスがはじけるような爆発音とともに、商店街の買い物客を含む通行人であろう男女の「キャー」という甲高い悲鳴が聞こえてくる。わたしは驚くと同時に条件反射的に咄嗟に爆発の音のしたほうに振り向いた。つまり一体何が起きたか探るかのように見ていた。

すると通行人の一部が逃げながら


「妖怪が出てきたぞ。」

「バカ、あれは魍魎だ。」

「きゃー私恐い~。」


という悲鳴とともに、当時のわたしは落ち着いて爆発のあったところから出てくるその異能なるものを見た。

……結論。視線の先には背の大きな緑色のカマキリがいた。距離が離れているものの、身体の大きさは隣の無事な建物との対比で二階の窓の高さまでみえる。大きな鎌を振り回すそれは体躯はそれ以上に見える。

異世界に来たんだなと少し見とれていると、すぐに我に戻る。そして後ろに振り返りカードをくれたおじさんと一緒に逃げようと思い振り返る。「あのさ、おじ…」と、言いかけたが、おじさんは居なくなっていた。

「え?」

急にいなくなったのでわたしは驚いた。おそらく客観的に見ればこれ情けない声だろう。というよりいまだに消えた理由がわからない。

今目の前には行き止まりだし、おじさんはどこにもいない。

[はて?どこに行ったんだろう。]

(とりあえずここから離れよう。一緒に逃げたいのはやまやまだけど、何かあったら面倒くさい。)

[わかった。]

わたしは逃げ惑う人と一緒に逃げようと思った。その時だった。眼前に巨体カマキリが、ちょうどわたしの目の前に現れたにだった。いわゆる突然眼前に出てきたため、情けないことに腰を抜かしてしまって。もちろん揶揄ではなく、普通に腰を抜かした。そんな感じだった。


「キッシャアン」

カマキリの鎌が効果音つきでわたしに向けられる。わたしは死を覚悟した。思わず無意識的に顔が緩み笑みを浮かべてしまう。こんなあっさりと終わるのか、と。

おそらく絶望を感じたからだろう、緊張の糸がほぐれ、なすすべのない絶望に打ちひしがれたからだろう。


絶望に打ちひしがれたわたしにそんなときだった…。

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