過去編~白髪のおじさんとからプレゼントもらいました~
邪馬2651年 3月12日 曇りところどころ晴れ 15:01
わたしは手招きしてくれた青のスウェットに黒のジーパンを着た白髪混じりのオールバックのおじさんに歩み寄る。はて何の用事か、ということだ。
「よく来たね。神様から君にプレゼントだ。」
変に優しい口調でいうそのおじさんは神様の親戚だろうか。それともあくどい宗教団体か。頭を上に見上げながらぼーっと考えていると、しびれを切らしたのか、おじさんはわたしの肩に手を伸ばし口を開いた。
「君は小野原麻美君だね?」
いきなり両肩を掴まれ、名前も言われたからびくっとする。そりゃそうだ。いきなり触られたりしたら誰だってそうする。
おじさんはため息を吐くように続けながら
「神様からこれを君にプレゼントだ。」
言い終えるとおじさんは、右手からズボンの右ポケットに手をやりながら、黒い数字の入ってないクレジットカードみたいなのを取り出した。
「神様が君の貯金を渡すように、と言われているカードだ。この中に1000万ぐらい入っている。君が念じれば出てくる仕組み。残高も念じればわかる仕組みだから使いなさい。」
有無をいわさずに強引にわたしの右手のほうに渡してくる相手。わたしは目を閉じて
[残高見たい。]
と、心の中で念じると、頭からくっきりと数字が浮き上がってきていた。そう、数字は”11013550円”という文字がくっきりと脳裏に浮かぶ。というかわたしの前世の貯金額ではないか。いつも銀行の残高見るのが変な意味で趣味になっているからはっきりと覚えている。
(本当に出てきた。で、お金は下ろせそう?)
中山君も一緒に見えているため、お互い驚いたような、感嘆したような、よくわからないことになりながらも、中山君の言う通りにお金を下ろそうと頷きわたしは念じた。
[やってみる。500円出てこい。]
心の中で言い終えるやいなや綺麗な500円が左手の中に来る感触がある。目を開けて左手を開けてみると確かに500円がある。硬貨としての500円。それと同時にわたしの脳裏に貯金から500円が消え、残高が500円引かれたものになった。値段が11013050円
「すごい…。」
わたしが感嘆しているとおじさんは最初に会った時の優しそうな笑みを浮かべ続けながら。
「このカードは君がお金使い切った瞬間に消えるから、間違って全部下ろして消さないように。ついでにお金はおろせるけど貯金はできないからそこも注意して。まあ神様が君にお詫びとして貯金をそのままこの世界に移行させたといってたから。」
「わかりました。ありがとうございます。」
頷くわたし。同時に脳裏に
[これでしばらくはお金の心配はないな]
と思った。ただ預けられないとなると、銀行のカードでも作るか、少し不便だな、とも思った。そして、そのときである。
自分の後ろにあるコーヒー屋からガスでも引火したのかと思うくらい突如として爆発が起きた。




