8/22
Orange
Orange
夏が終わる頃に 思い出す香り
誰かの記憶と束になって
しばらくは そのことで頭がいっぱい
嫌味のない オレンジの香り
甘いのに切なくて 寂しくて
夕立の向こうの 沈みかけた夕日みたい
優しくなりたいのに
子どものままでいたくなる
愛したいのに
甘えていたくなる
泣きたいのに
強がってみたくなる
それを許してくれる人のいたあの日の
泣き腫らした目と 西日の中のまどろみ
ずっと続けばいいのにと
どこかで思っていた
終わってしまう夏と
少し涼しくなった朝の香り
第1章 Orange
完結です。




