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虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
嫁入りからのセカンドライフ
88/92

第九十九話 こいねがう+第百話 しょうがない








(だと言うのに)


 冴野は息を吐き捨てた。


 己のこの外見に激しい嫌悪感を抱くのに。

 変えられるものならば即座に変えたかったのに。


 ただ今は。

 躊躇する己がいる。


 この外見を。

 好いてほしい。

 認めてほしい。

 願ってしまう。

 強く強く。

 こいねがってしまう。

 願わずにはいられないのだ。


(ああ。こんちくしょうっ!)













(2023.9.20)






 見ていてほしい。

 見ていてほしくなどない。


(ははっ)


 無様だな。

 震える両の手の拳を、片方はそのままに、片方は解き、土羽梨を覆う砂色のマントを掴み、魔女を見据えて言った。

 可愛いと言われてもそうかと涼しい顔で返せる妖精になる。と。











「可愛いから可愛いと言っているだけなのに、どうしてあそこまで嫌がるのか?」


 宣言してはさっさと『焔の国』から土羽梨と共に去って行った冴野の事を、暫くの間、首を傾げて考える魔女であったが、結局はわからないからいいと結論を出し、けれど、頻度だけは少なくしようかと思ったのであった。


「しょうがない。可愛いのだから」











(2023.9.20)




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