表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
第三章
75/92

第八十六話 ひょっこり




 冴野が自ら抱擁を解き、身体の再構築を終えて調子を確かめた土羽梨が、幻の姿ではない冴野を探しに行こうとした時だった。

 背を向けて走り出そうとしていた身体を一時停止させては、振り返って冴野の眼前に立つと、片手は胸に添えて、もう片手でデコピンを喰らわせた。


「あれ?」

「どうして首を傾げる?」

「いえ。どちらも絶対に防がれると思ったんですけど。まだ調子が悪いですか?」

「お互い様だろう」

「自覚はありませんが。あなたには私が調子が悪いように見えますか?」

「見えるな」

「そうですか。なら、少し休みますか。その間、ハシビに守ってもらいましょう」


 土羽梨と冴野が群集する木立の中から或る一本に視線を注げば、ひょっこりと、ハシビは後ろから姿を現しては、トコトコと近づいて来た。


「てへっ。気付いてた?二人の世界を邪魔しちゃいけないって隠れてたのに!あ!お帰り!残念だったね。取り除く方法が見つからなくて」

「うん。でも、まだ諦めない」

「うん!オレもみんなに聞き続けるから!」

「ありがとう。それで、休んでいる間に私と冴野の護衛を任せたいんだけど、いいかな?」

「うん!任せて!」

「ありがとう」

「任せた」

「はい!」


 ぴょんぴょんと二人の周りを飛び跳ねたかと思えば、ちょっと待っていてと言うや姿を消してすぐに戻って来て、杉の枝葉と自分たちの羽で作った青炎鳥が使う布団を地面に置くと、どうぞと寝るように勧めた。

 土羽梨と冴野はハシビの勧めるままに並んで横になると、数秒も経たずして眠りに就いたのであった。


「よし」


 ハシビは茶目っ気たっぷりだった表情を豹変させては、周囲を、そして二人を警戒し続けるのであった。











(2023.9.16)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ