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第八十五話 さいかい
「耳の痛い言葉だな」
「ですが、事実です。お互いに。操られて、本意ではない言動を取って、最悪の結果を迎える事になるかもしれない、ですよね?」
「否定はできない」
「あなたは、冴野は本当に私を操る気はないんですね?」
「ああ」
「私を守ってくれるんですね?」
「操ろうとしている輩からは」
「私は。私が、あなたを守る事はできますか?少しでも、あなたの力になれますか?あなたを操ろうとしている人たちから」
「あらら。守られてばかりでは嫌だって?」
「嫌ですね」
「はは。即答だな」
「答えてください」
「ああ。強い縁があればきっと。私たちならば。信じている」
「………結婚したままでいいのではないか。との、あなたへの返事は」
あなたを見つけ出して、言います。
涼しい態度の中に、苛烈でいて刹那の美しさがある火花を見た冴野は、待っていると、にこにこ笑顔を再開させたのであった。
(2023.9.16)




