表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
第二章
54/92

第六十三話 ような




(何だろう)


 橙トマトと枝豆の味噌味のゼリーを朝食に食べ終えてテントを直し、また縞々や水玉模様の動植物たちの明るい色が発揮する中を、冴野と手を繋いで、歩いて、休んで、水粒を飲んでを繰り返す土羽梨は、違和感を覚えた。


(何だろう。何だろう?)


 冴野の様子がおかしい、ような気がするのだ。

 どこがおかしいかと問われても、具体的に答えようがないが。

 そこはかとなく、軽い、ような。

 元々飄々としていて言動は軽いのだが、もっと軽くなったような。

 そう。

 今は、地に足がついていない、と言うべきだろうか。


(いや、あれ?本当に浮いているような?)


 土羽梨が前を歩く冴野の足元を注視すると、わずかだがずっと地面から足が離れていた。ような。


(あれ?そもそも歩いてない?滑ってる?)


 足が上下左右前後ではなく、左右前後にしか動いていない、ような。


(幻の姿だから?いやでも、昨日は確かに歩いていたし、『緑の国』でも、地面につけてちゃんと蹴っていた、はず………まあ、別に、浮いていようがどうだろうがどうでもいいけど。うん。具合が悪いわけじゃないなら。それより)


 動植物たちの明るい色に未だ慣れない土羽梨だが、このまま歩いて進むのはどうかと思い始めた。

 棲み処を転々としている魔女の気配を探って居場所を突き止めようとしていると、 冴野は言った。

 ならば広範囲を進んだ方がいい。

 つまり徒歩よりも疾走した方が。


(徒歩で進もうとしているのは、木の根の事もあるだろうけど。初めて『焔の国』に私に気遣ってくれたんだよね。でも)


 土羽梨は冴野を呼んで言った。

 走りましょう、と。













(2023.9.9)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ