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虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
第二章
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第五十一話 誰が+第五十二話 そっと











 「『緑の国』は『焔の国』から生まれた。ゆえに、『焔の国』の声には」




 『緑の国』のなにものも足を踏み入れない場所にて。

 続く言葉を途切れさせた冴野は、幻の姿がいつも見せている余裕綽々の表情を捨て去って、顔を歪ませては、荒い舌打ちを吐き捨てたのであった。




「っくそ。誰が」











(2023.9.5)






 軽い頭痛に苛まれながらも目を開けていた土羽梨は、テントの素材が動植物たちの明るい色を通さない事に安堵しながら、ずっと砂色のテントを見つめていたが、いつの間にか眠っていたらしい。


 目を開けて、額に当てた手をそのまま後ろに滑らせては、途中で右耳へと移動させて、耳たぶを軽く引っ張ると、ゆっくりと目を瞑り、深呼吸をして、上半身を起こし、頭痛が治まった事を確認して起き上がった。


 そうしてテントから出た先で待っていたのは、うっすらと暗闇が広がる空と、やおら淡い青と赤が交互に寄せては返す地面であった。

 どうやら動植物たちの明るい色は眠りに就いたらしい。

 安堵した土羽梨は膝を抱えて、テントの出入り口近くで腰を下ろしていた冴野を見つめた。


 砂色のマントの下に白の衣を身に着ける、銀の長髪に、今は閉じられている銀の瞳の男性。

 冴野の幻の姿。

 本当はどんな姿をしているのか。


「………膝を突き合せれば、折衷案が見つかる、かも、しれないし」


 姿を現してほしい。

 願い出たところで、どうせまた断られるに決まっている。

 それにそもそも、見つけ出したいのだ。

 見つけられないと疑わないこの人を見つけて。

 ドヤ顔を、いいや、涼しい顔を見せつけたい。

 あ~ら、簡単に見つけ出せましたわおほほと、笑ってやりたい。


「………ねえ、起きてる?」

「………」


 返事はない。眠っているようだ。

 土羽梨は確認の為もう一度だけ声をかけては反応がない冴野に向かって、そっと手を伸ばした。











(2023.9.6)




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