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第三十九話 一心同体
「木の根を吸収するなんて、どれだけおっかなくて、厄介なんだ」
男性は自分の膝を枕にしたまま土羽梨が眠りに就いてのち、額に手を置き、土羽梨の中に残っている木の根を取り出そうとした。が。
「あらら。まさか気に入ったわけじゃない、よね」
男性は目を三日月の形にした。
取り出せないのだ。
木の根は男性と一心同体、であったはずなのだが。
「もしくは、内から操ろうとしている、のかな?」
あらら。
男性は呟いたのち、土羽梨の額から手を退かしたが、膝枕はそのままにしておいた。
土羽梨の頭は、ずっしりと重かった。
(2023.8.30)




