第三十七話 嘘か真か
「………」
「………」
「びえんびえんびえん」
「………」
「………」
「わおーんわおーん」
「………」
「………」
「ぎゃあんぎゃあん」
「………」
「………」
「ふやや~んふやや~ん」
「………」
「………」
「ぴえんぴえんぴえん」
「………」
「………」
はあ。
根負けしたと言わんばかりに重たい、それはもう重たい息を吐き出した男性は、それはそれは素晴らしい笑みを浮かべて、事のあらましを土羽梨に説明した。
曰く。
本来男性の管理下にあるはずの木の根が暴走して、土羽梨を吸収しようとしたが、逆に暴走していた土羽梨が木の根を吸収してさらに暴走して、『緑の国』が壊滅危機に陥った。との事。
「『緑の国』の復興に力を入れたおかげで、この有様です」
「………」
「ここに連れて来られた時同様に身体が動かないでしょう?まあ、あんな無茶苦茶に身体を動かしたのです。当然でしょう」
「………」
「ああ。いえいえ。賠償金は結構ですよ。元はと言えば、木の根をきちんと管理できなかった私の責任ですから。ええ、ええ。けれど。どうしても。謝罪の心を形にしたいと。どうしても仰るなら。ええ、ええ。もちろん、受け取りますよ」
「………」
「ええ。ええ。今はゆっくり休んでください。口が動かせるようになったら、あなたの率直なお気持ちをお聞かせくださいね」
「………」
嘘か真か。
判断がつきかねた土羽梨は男性の言う通り、とにもかくにも、身体の回復に努めるのであった。
(2023.8.29)




