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第三十三話 現実+第三十四話 好きだ
考えた事は、あるか。
迎える事は決してない現実を。
髪の毛が生えるという、現実を。
(2023.8.26)
髪の毛が生えた現実を考えた事はあるか。
自身からの問いかけだったのか。
他者からの問いかけだったのか。
どちらにしても、否とは言えない。
考えた事はある。
もしも髪の毛が生えたのなら、すんなりとこの『砂の国』に溶け込めたのではと。
考えた事は、ある。
考えた事はあったのだ。
けれど。
今も考えた事はあるか。
そう問いかけられれば、否と、断言しよう。
今のこの姿が自分なのだと胸を張って言えるから。
髪の毛のないこの姿のまま、私は『砂の国』で生きて行きたいのだ。
私は。
私は今の姿の私が好きだ。
落ち込んだり、面倒になったり、嫌になったりする事はあるけれど。
嫌いではない。
好きだ。
好きだ。
好きだ。
だから。
「邪魔をしないで」
(2023.8.28)




