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虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
第一章
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第十五話 お願い




 青炎鳥の棲み処である杉の大木の群集に連れて行かれた土羽梨は、枝葉に寝台ごと置き去りにされた状態で静かに臨戦態勢を取り、暫くして戻って来た青炎鳥を目力で追いやろうとしたのだが、仲間を連れて来なかった青炎鳥が土羽梨を食べる事も攻撃する事もなく、土羽梨の傍らに一本足で立ったまま、鋭かった眼光を消して、茶目っ気たっぷりの表情で言ったのだ。


 オレの名前は、ハシビ。

 あなたにお願いがある、と。


(私だってわからないんですけど)


 瞼以外身体が動かせない土羽梨は心の中でそう答えると、ハシビは言った。

 では共に探せばいい、と。

 そして、また寝台ごと土羽梨を持ち運んで飛翔し、男性の元に連れ返しては、また会おうと飛び立って行ったのであった。




「あらら」


 土羽梨は自分を見下ろしている男性を見つめた。

 心境は凪いだ水面だ。

 今はもう、感情を動かせる力がないほどに疲労していたのだが、どうしてか、瞼を閉じて男性を、思考を遮断して休息を取ろうとは思わなかった。


(認められようと奮闘しているこの人に休ませる方法を教えてほしい、か)


 ハシビのお願いは叶えられそうにないなと思いつつ、土羽梨は暫くの間、男性の目をじっと見続けたのであった。











(2023.8.13)




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