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虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
第一章
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第十四話 あらら




「あらら」


 赤褐色に黒の縞模様の小虎とじゃれ合っていた(らしい)男性は、青炎鳥と共に現れた土羽梨を見て、素っ頓狂な声を出した。

 青炎鳥が土羽梨を連れ去った事には気づいていたが、あえて何も手出しをせずに黙って見送った。

 何となく、察していたからだ。

 青炎鳥は土羽梨を気に入ると。

 なので、危害を加える事はせずに五体無事で帰って来ると。

 けれどまさかこんなに早く帰って来るとは思ってはいなかった。

 しかも。


(動けない状態は続いたまま、か)


 寝転んだまま手を振って去って行く小虎を見送ってのち、男性は胸の辺りを小虎の鋭い爪で引き裂かれた白の衣を撫でて穴を塞ぎ元通りにすると、立ち上がって両手を背中に回し、寝台ごと地面に下ろされた土羽梨を見下ろした。

 澄んでいて静かな瞳だった。

 怒りに滾っていてもおかしくないはずなのだが。


(もしくは悟られないように奥深くに閉じ込めた、か)


「あらら」


 結婚が遠ざかるか。

 思いつつも、にまにま笑顔は引っ込めなかったのであった。











(2023.8.12)



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