ベオグラード内戦
統一暦600年 9月
五国条約都市ベオグラード
ここ条約都市ベオグラードは十五年前のハンガリー侵攻を受けたベオグラード条約により、統一政府が存在する首都の役割を果たしている。
ベオグラード統一帝であるデミクレス・フォン・ルーマニアは未来を憂慮していた。
『ベオグラード政府はもはや崩壊寸前か、どうするべきなのだ。』
ベオグラードは五つの国が15年前のハンガリー侵攻を受けて統一された国であり、共和国の参戦に助けられて生き残った国であるが故に、国土は荒廃し経済は疲弊していた。そして、5年前のプロシア統一により、これ以上の大国の台頭を恐れた共和国はベオグラードへの援助を打ち切り、ベオグラードは瀕死の状態であった。
デミクレスは宮殿前で行われる抗議集会に悩まされていた。
『もう自国民さえも抑えられないとは、やつらは私にどうしろと言うのか。』
デミクレスが窓の外を覗くと、赤い夕焼けが広がっていた。
同日22:30
『総員、配置完了』
『フクロウからの合図は85パーセント確認、残りはダメかと。』
『了解。計画を前倒し、これより[ベオグラードの夜明け]作戦を開始する。鉄衛団各員は23:00より予定行動を開始せよ。夜が明けた時には全てが変わる。』
『はっ!』
『チトー団長、もうあと戻りはできませんよ。』
鉄衛団団長であるアドルフ・チトーはそれを聞き、口元を歪ませた。
『もはや私に帰る家などないし、仕えるべき祖国は私を蹴飛ばした。ただ倒れるまで走り続けるだけだ。』
この日よりベオグラード政府は鉄衛団の手に落ち、各地で内戦が起こることとなる。




