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三頭の鷲  作者: アドラー
戦場の景色
6/8

中隊配属

 統一暦600年 九月

       帝国北部 陸軍駐屯地


 『エルヴィン・フォン・ヴェルナー少尉、到着いたしました。よろしくお願いします、ハルトマン大尉。』


 エルヴィンは敬礼と共に、自らの上官となるハルトマンを見た。鍛え抜かれた体には数々の銃剣の傷跡があり、エルヴィンは本能的に中隊に不安を抱いた。


 『よろしく、マティアス・ハルトマン大尉だ。君の所属182大隊のb中隊の中隊長を務める。君は新兵の少尉だが、戦場ではそんなことも言ってられん。挨拶と荷解きが済んだら、私のところにくるように、早速叩き込んでやろう。』


 エルヴィンは連隊長への挨拶へと向かった。途中、兵士たちをみかけ、話してみたが、どうやら自分は精鋭部隊に突っ込まれたのだと理解するまでに時間はそうかからなかった。

 (これはなかなかまずいのでは…)

 何がまずいのかは自分でもわからなかったが、とにかくそのことだけは本能が知っていた。



 『ユリウス・フォン・カプリヴィー大佐だ。』


 『ゲオルグ・フォン・シェレンドルフ少佐だ。大佐は連隊長を、私は182大隊長を務める。…どうした?顔色が悪いぞ。まあとにかくこの連隊は即時展開・単独戦闘ができるように試験的に設立された部隊だよ。』


 エルヴィンは自身の出した案を呪った。たしかに戦時編成において、階級によらない柔軟な運用法を提示はしたが、平時でしかも精鋭部隊に送り込まれるとは、予想外にも程があった。


 『君も入隊して日が短い、ゆっくりとしている時間はないが、焦るんじゃないぞ。』


 『ありがとうございます大佐。では、中佐殿、大佐殿、失礼します。』


 扉をしめ、退出する。エルヴィンはひとまず、ハルトマン大尉の元へ向かうことにする。


 

 『おや、ヴェルナー少尉?もう初めても良いかね?…わかった。では始めよう。

まず、いきなりだがこの連隊の意義と運用法について考察したまえ、なに、思ったとおりにだ。』


 エルヴィンは突然の質問に士官学校を思い出して少し懐かしくなったが、雑念を振り払って答えた。


 『は!まずこの連隊の目的は内乱鎮圧や奇襲迎撃などであります。運用法としては、連隊単独で戦闘するため、諸兵科の連携を用いた機動戦があげられます。』


 ハルトマンは満足そうに頷くと、


 『そうだ。しかしこの連隊にはもう一つ実験的な要素がある。それはなんだと思うかね?』


 エルヴィンが首を横に振ると


 『わからないのも仕方ない。この連隊には通常階級と異なる役職に付いているものが多い。急造部隊を想定しているようだが、なぜ精鋭の部隊にこのようなことをしたのかは、わからんがね?』


 『ひとまず、中隊訓練へ出るぞ、兵装を整えて指定時刻に集合するように。』


 エルヴィンは退出し、演習場に向かった。


 


 

 


帝国陸軍第18連隊

        総員 4500人

   各大隊補給連絡要員含む

 連隊長

 ユリウス・フォン・カプリヴィー大佐


 181大隊 歩兵大隊 1000人

 182大隊 歩兵大隊 1000人


 183大隊 増強騎兵中隊付き歩兵大隊

           1000人

 184大隊 砲兵大隊 重砲・軽砲中隊

           500人

 185大隊 工兵・夜戦病院・斥候中隊など          1000人

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