第3話 鍵の掛かった暗い部屋 発見編
斑目に隠されたオレの玉将の在処のヒントは三つ。
『鍵の掛かった暗い部屋』
『合言葉は皆殺し』
『映し出す目玉の足元』
オレは考えを巡らせた。
体育倉庫、窓のない放送室。
鍵の掛かった暗い部屋はたくさんある。
トイレの個室も暗い。
トイレに鍵はかかってないか。
……待てよ。
映し出す目玉はプロジェクターじゃね?
「視聴覚室?」
斑目は今回も、肯定するように微笑んだ。
◇
次の日の放課後、オレは視聴覚室の扉の前に立っていた。小窓に内側から黒い画用紙が貼られている。
鍵は番号を合わせるタイプだった。
四桁だ。
合言葉は皆殺し。
オレは番号を3、7、5、4に合わせた。
鍵が開く。
番号を斑目は知っていたのか。
恐る恐る入ったそこは、埃っぽく、カビた匂いが充満していた。厚い暗幕のカーテンが閉じられ、その隙間から入る日光の筋がカーテンの黒を背景に浮き上がっていた。
扉を閉めた。電気はつけなかった。
バレたらまずい。
一段高くなった舞台の前に据え置かれたプロジェクターの足元を探す。
もう少し下か?
プロジェクターの置かれた机の足に、わずかに膨らんだ封筒がくっついていた。
オレは封筒を手に取った。
中にはオレの玉将と何やら紙が入っていた。
薄暗い中で目を凝らすと、それはミステリー映画の試写会のチケットだった。
日時は今週の土曜日だ。
◇
視聴覚室を出ると斑目がいた。
「試写会行ける?」
斑目は言った。
「どうしたんだよ、これ」
「たまたま当たったんだ。ペアでご招待」
「へえ。……行けるけど」
「良かった」
斑目は嬉しそうにした。
「オレが見つけなかったらどうするつもりだった?」
「見つけたじゃん」
斑目は破顔した。
オレは斑目の顔から目を逸らした。
なんとなく。




