第1話 そこには文字がある 発見編
全寮制の中高一貫男子校。
高校一年生、同室の斑目に隠されたオレの玉将。
出されたヒントは三つ。
『そこには文字が沢山ある』
『光と影のところ』
『裏側』
オレは考えを巡らせた。
一番目は見当がつく。
図書館だ。
この学校にそこより文字が多いところは多分ない。
「隠し場所は図書館だろ」
オレが言うと、斑目は肯定するように笑った。
◇
次の日は朝会だった。
長い校長の話を聞きながら、ふと見ると、校歌が書かれた板に光と影が縞模様を作っていた。
オレは斑目のヒントを思い出していた。掲示物の裏側は隠しやすそうだ。
しかし、掲示物は沢山ある。
今のヒントだけでは片っ端から探さなければならない。
斑目は人を歩き回させることをするような感じではない。
やはり図書館。
本棚の裏を想像した。
後は『光と影のところ』を探すだけだ。
◇
放課後、オレは図書館に来ていた。
並ぶ本棚の間を歩く。
光と影のある本棚を探したが、本棚は日光の届かないところに寄せられていた。
本棚と反対側の窓際をみる。
窓際には学習机が並んでいた。
こっちか。
机の隣をゆっくり歩く。
一つの机だけが、ちょうど窓と壁の境目にあった。
光と影のところ。
ここだ。
オレは机を調べた。
テーブルの下を撫でると、何かが手に触れた。
覗くと、玉将の駒がテープで止められていた。
隣に数学の問題が書かれた紙がぶら下がっている。
「見つかった?」
斑目の声がした。
オレはびっくりして頭をテーブルにぶつけた。
「おお」
「大丈夫?」
オレは頭を撫でながら頷いた。
「見つかったけど、これなに?」
オレは紙を指先で弾いて音を出した。
「そっちは、こうやってわからない問題を貼っておくと、誰かが解いてくれるんだ。解説付きでね」
知らなかった。
「ここ、気に入ってる席なんだ」
斑目は言った。
「解説が分かりやすくて」
斑目は笑った。
オレの玉将を机から剥がして返してくれる。
「次もやる?」
「やる」




