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第9話 指揮者の集合 ヒント編
ぱち、ぱち、という小気味良い音が、将棋部部室に響いている。
三年生が引退して部長となった真嶋先輩と同級生の沼津が対局していた。
島根琥太郎ことオレは、その音を聞きながら、ミステリ小説を読んでいた。
一学期に寮で同室のクラスメイト、斑目冬馬と観に行った映画の原作だ。
映画より、情報量が多い。
もう一回、映画が見たくなった。
対局は真嶋先輩に軍配が上がっていた。
感想戦を眺める。
真嶋先輩の王将が沼津の陣地に入っていた。
この人、来年の体育祭で王将の着ぐるみを着て走るんだよな。
◇
そろそろ冬休みだ。
長期休み、特に年末年始はほとんどの生徒が帰省する。
オレは実家で見る映画を物色した。
風呂の時間になって、行って戻って来ると、寮の自室でオレが広げたままにしている詰将棋の盤上から玉将が消えていた。
斑目の仕業だ。
「ヒントは?」
机に向かって勉強をしている斑目に聞く。
斑目は口角を上げた。
人差し指を立てる。
「指揮者の集合」
続いて中指。
「動く頂点CP」
斑目は胸を反らした。
「以上」




