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アネモネ。私からのお便り。  作者: 朝緒
私からのお便り
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始めまして

 さて、今起きていることを整理するか。


 ・ここが一体どこなのか

 ・幸いスマホの回線は生きているが、GPSが機能していない

 ・便器に座って考えていたら目の前に謎のメーターが出てきた


 メーターが出てきt.......は?

いやいやありえないだろ.....空中に映像だと??

仮にも僕は眼鏡をかけているが、スマートグラスなどという高級な代物ではない。

眼鏡を触って確認をするが、普段と何ら変わらない。いつも通りの眼鏡であった。

落ち着こうとするが、そうはさせまいとメーターが変形し始めた。

何これ、人?新しいAI?空中に出てくるまで進化してたのか???

うわこっち見てきたよ。


「ようこそ。夢と記憶の世界(アーレテイア)へ。私は案内人(ナビゲーター)のヒュプノス。これからよろしくお願いします。あなたのお名前を教えてくださいますか?」


「こちらこそよろしくお願いします自分は........っておい!!!!なんなんだよ急に!!!!ナビゲーターだとかアレイテテ...?だとか!!!僕は家に帰るために花翁(カオウ)線に乗って腹が痛くなったから、途中下車してトイレに行っただけだ!!!!なんでこんなことになってるのかそこんところ全部説明しろよ!!!怖えよ!!!知らんもんに名前教えんの!!!!」


「急に申し訳ございません。ひとつづつ説明させていただきます。聞きたいことは何でしょう。」


(えーっと....まず、ここがどこなのか、なぜ僕がここにいるのか、お前は誰なのか、どうやったら家に帰れるのか、あとなんだ???頭を回せ...臨.(のぞむ)...まず返答が三回とかいうランプの妖精パターンも考えられるな....くっそ...物は試しだ....)


「まず、僕は家に帰ることができるのかどうか教えてくれ。」


「可能です。」


 返答はええなおい...食い気味だったぞ....なんか急いでるのか....?


「まだ質問は可能か?」


「心行くまで。」


ランプパターンではなくてよかった。助かった。野垂れ死ぬところだったぞ....


「それじゃあ....」


 .......僕は聞きたいこと、ここはどこなのか、こいつに片っ端から聞いていった。

 ただ....一つの誤算としては、全然内容が入ってこないってとこだ。授業をAIに要約してもらうんじゃなかった.....クソ。真面目にこれからは話きこう。そうだ。うん。


 簡単にまとめると、こいつは僕を家に帰れるようにしてくれる案内人ってところらしい。

この世界は夢と記憶で構成されていて、「誰か」が「何か」を望むと現れ、「誰か」が「何か」を忘れたら、”それ”はこの世界の全員の記憶からなくなってしまうらしい。

何言ってんのかわからん。まあ忘れるなよ、ってことか。あとは特に影響なさそうだったから聞き流した。


「僕はどうしたら家に帰れるんだ?」


「このメーター右端までメモリを増やせば、可能です。」


ヒュプノスの指す方向にメーターが出てくる。


(現在は3割くらいってとこか残り7割....帰るまでどれくらいかかるのかは増え具合でわかるけどな....

 かりにも何かやって1割も増えなかったら絶望すぎるぞ.....)


「どうやったら増える?そのメモリとやらって。複雑なとこはなんか...その...例えてみてくれ。」


「了解いたしました。この世界で一週間たつごとに1ゲージ増加つまり5%プラスとでも言っておきましょうか。」


(残り7割だから、12週間...三か月くらいってところか....まあ一年とかではないからまだいいか...)


「また、メモリをさらに増加させる方法があります。それは私が案内するこの世界の人々を手伝うことです。」


「手伝う?ってどういうこと?」


「おつかいクエストだと思ってもらえたらそれで大丈夫です。」


(おぉ...わかりやすい...。おつかいかあ、移動手段なんかあるのかなあ・・・)


「わかった。それはどれくらい増えるんだ?そのー....メモリは。」


「内容にもよりますが、一回ゲージ全体のおおよそ三割ほどです。」


(.....は?三割って一か月分くらい?やり得じゃんか!!!最低三回くらいか?おとなしく従っておくか。それが最善だしな。)


「じゃあ、ここでどうやって生活をしていけばいいんだ?このままこの駅のトイレにいても三日くらいで野垂れ死ぬぞ。」


「ご安心ください。こちらで用意いたしました。トイレを出て、改札を通過したら左に進み、目の前にある扉をお開けください。」


「わかった。まだ名乗っていなかったね。僕の名前は聖 臨(ひじり のぞむ)。好きに呼んでくれ。これからよろしく」


「よろしくお願いします...。ノゾム...。」


 どこか悲しそうな声色が若干気になったが気のせいだろう。



 そうして僕はトイレを出て、手を洗い、改札を出た。

 一応トイレにいたのだからエチケットは大切だ。手を洗っておくのにデメリットないのだからな。やり得だ。

 改札をなぜ通過できたのかが理解できないが、あいつがなんかやってくれていたのだろう。こいつ出来るな。


(改札でて左だっけ...?えーっと...うわぁ....あるよ扉、駅のテイストと違いすぎるだろ。)


 駅自体は昭和レトロを感じるような、どこか懐かしい雰囲気を感じる。そうだな、祖父母の家に行くときに使う駅のような感じだ。無人駅でシンプルである。

 それに対して扉は白い。白いんだ。白すぎる。病院を思わせるような。病院でもここまで白くないぞ...


「まあ、入るしかないわな。僕に残ってる選択肢は...。」


 扉を開け...ん?扉を開け...られない。ドアノブあって、縁がこっち側だから押しドアだろ?


「引き戸でございます。」


 うるさい....わかってたもん.....


引き戸を開けると、そこには一人の白衣を着た誰かがいた。


「始めまして。私の名前はヒュプノスです。ノゾム。よろしくお願いします。」


おいおい.....高身長イケメンだったのかよ......



僕はちょっとこいつのこと嫌いになったかもしれない

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