変わらない毎日
"Ich scheiße gerade."
かっこよく聞こえるよな。うんこ中なのに。ドイツ語は素晴らしい。
そんなことはクソほどどうでもいい。うんこだけにクソってか?黙ってろ。腹が痛いんだ。
今日もいつも通り同じ時間、同じ車両でクソをする。大学に入ってからもはや毎日のように腹が痛くてトイレを利用している。
僕は潔癖なんだが...背に腹は代えられぬ。もはやルーティンの一つとなっている。
最悪だろ...こんなルーティン。
今日も僕は同じ一日を繰り返す。多少異なることは起きるが、僕は今日も同じ一日を繰り返す。
右足から家を出て、左足から家に戻る。電車に乗り、同じ時間帯にクソをする。土曜まで繰り返す。
そんな毎日が僕にとっては退屈だ。
人生は安定した生活を繰り返していると飽きてくるらしい。
こういうのをどうにかするのが、情報商材まがいな、教訓本とやらにでもするのか?僕にはわからない。
だが、最近はほんの少し、面白いと思う。
僕が見ているとき、この世界が存在しているということを感じる。
僕が見ていないとき、この世界が本当に存在していないのか。誰にもわからない。
ただ、僕は知っている。この世界は、僕が見ている世界が、存在していることを。
なんで知っているかって?
だって僕が見ていない世界が存在していないって、誰がわかるんだ?
僕が見ている世界は、僕の中では存在している。そこらへんを歩いている他者一人ひとりに意思があり、自律的に行動している。
僕がわざわざ考えなくても僕が見ている世界は勝手に廻っている。
キミが見ている世界も、君の中では存在していて、一人ひとりに意思があり、自律的に行動しているのだろう。
だが、それは僕にとっては、、自律的に行動している他者の一つと何ら変わらないから、興味はない。
僕の世界は、僕の視界の中がすべてだ。
そう。そう思っていた。
だってそう思ってないとつまらないだろう?毎日同じことをするだけの生活なんか。
自由に物事を捉えられる。なんて素晴らしいのだろうか。人間という生き物は。
閑話休題
今日も朝から電車で音楽を聴きながら、何の変哲もない一日を送っていた。
大学生にもなって中二病を患っている僕はいつも通り、電車に乗り、クソをしていた。
クソをしていた。
いつも通り、クソをしていたはずだった。だが、揺れていない。電車だぞ。隣に立ってつり革を持っている婦人の香水が鼻の奥に突き刺さる程度には、だ。駅で停車中なのだろうか。まあよい。クソをしよう。
そう思いながら、僕は、いつも通りのルーティンを遂行していた。
なんども『クソ』などという汚い言葉を使うのはあまりふさわしくないだろう。これからは腸からのお便り、略して便とでも言おうか。同じだと?うるさい。
手を洗い、鏡で髪を少し直し、忘れ物がないかチェックをし、サンクチュアリを出る。
いつもの定位置に立ち、寝ている間に来ていたメールを返す。
大学生とはいえ、友人付き合いもしっかりしなければ。孤立するのは心理的にさみしいところがある。
僕はさみしがり屋なんだ。笑うな。いいだろ別に。
友人と同じ講義を受け、同じ飯を食い、帰路につく。いつもと変わらない生活を送っていた。
帰りの電車で少しおなかが痛くなったのでサンクチュアリに行く。
『使用中』
絶望の三文字。私の人生これにて終了。退屈であったが多少なりとも楽しかったぞ自分よ。
腹が痛いときの絶望は、例えようがない何かに襲われる。思考能力が0になる。体験したことがある人もいるのではないか。
頭の中が便に支配され、一切の思考が不可能となる。ただ、その後急速に回復、1秒がまるで一時間にでも感じるような、悠久の時を過ごすことになる。一種のゾーンにでも入ったのであろう。
とても素晴らしい。ただ、便を我慢しているだけなのにゾーンに入るなんて。
幸い、もう少しで、次の停車駅につくらしい、救われた。安心したのか、少し腹痛も弱まった感じがする。ありがたい。
扉がひらき、階段を上り、トイレを探す。駅のトイレは素晴らしい、電車に搭載されているトイレよりも多少きれいな確率が高い。
便をし終わって、ホームに戻ろうとする。
人が少ない。なぜだろう。仮にも夜とはいえ平日でなんの特別な日でもない。うなだれたサラリーマンの一人もいない。まあ、田舎だし、しょうがない。そう思っていた。
この時は。
帰りの電車のホームを探さなければ、ホームがわからなければ、正しい帰路に帰路にもつけない。
おもむろにスマホを開き、乗り換えのアプリを開く。
え~っと今いる駅は~現在地で検索っと....あれ?出ない。電波が悪いのか?
なら掲示板をさがして.........ない。
おかしい。仮にも家から大学までの駅ぐらいわかる。別の路線に行ってしまった?
いやそんなわけない。仮にも利用しているホームが変わることはない。
同じ改札を通り、掲示板を確認して、ホームにつくだけだ。
だからこそわからない。
「ここは一体どこなんだ...?」
おなかが痛くなってきた。いったんトイレに行って落ち着こう。




