5 「新しい朝」
夜に手を差し伸べるのはーーーー朝の昇出
現在地 ○・・「夢現の園」・・○
「日の出と共に、力が消えちゃうっキャ」
両腕の翼をばたつかせながら、未知なる生物は報酬を告げる。
ーーーー”第一の試練”は成されたーーーー
強大な力を手放すための試練が・・・一つ、完了したのだとーーー。
「え!?私、起きれちゃうってこと!?」
宝箱に目を輝かせるように”眠り姫”アムは、愛くるしい生物に確認をとる。
夢の世界からの目覚めは、600年間在中している彼女にとっての悲願なのだ。
ーーーしかし、現実はそうはいかない。
「キャ?まだっキャ」
これはーーー7つの試練なのだ。全ての試練を果たすことでしか、解放される道はないのだろう。
ミディは、沈むアムに目をやりつつ、次の試練へと心を備える。
「一つの試練で消える力は一つだけっキャ!」
・・・きゃ?・・・ではなくて・・・・は?
「7つの力に対して7つの試練。・・・いいバランスっキャ!」
・・・・今なんて言った?
困惑を隠そうともせず、降りかかる疑問への対処に全集中するミディ。
「私は・・・眠ってるだけよ?」
悲観より疑問が多少勝ったことにより、アムはその言葉を絞り出すことができた。
雑念が混じろうとも、本質は損な得ことはなく・・・。
自分の与えられた力は、”一つだけ”だとーーーー。
「赤ーー”血命の流反 (けつめいのるはん)”
黄ーー”楽私老 (らくしろう)”
緑ーー”翠海遊友 (すいかいゆうゆう)”
青ーー”定浄の杯 (ていじょうのうつわ)”
紫ーー”明鏡紫水 (めいきょうしすい)”
黒ーー”●●●●●●”
白ーー”天廻生在 (てんねせいざい)”ーーーーーー以上、キャ」
淡々とその理を語っていく。それは、逃れられる宿命であると。
「試練が”全て”成されキャ時・・・その強大な力からも解き放たれることができるっキャ!」
がんばるのキャ!
小さな生物は、励ましの言葉を付け加える。
それは後の試練の過酷さを見越してのものなのかーーー単にそのままの意味で捉えればいいものなのか・・・。兎にも角にもーーーこれでひと段落だ。
「それじゃ・・・また次の夜に会おうっきゃ!」
その生物は跳躍する。次の夜へと。
「待って!お別れの前に・・・・」
アムは口を挟んだ。やり残したことを、果たすためにーーーー。
「お名前を聞かせてもらえるかしら!」
・・・・っ! キャキャッ!
「シキ!」
「また会おうっキャ!」
「ええ!また明日!・・・ミディも、ほら!」
「・・・・・・またな」
「キャキャッ!”また”っキャ!」
その生き物 ”シキ”は、夢の空へと飛び立って行った。
再会の約束を胸にーーー。二人は、小さくなるその背中を見送った。
過ぎ去った過去には戻れないけれど・・・未来はーーー眩く、輝かしい。
そして、今日もーーー
新しい朝が、やって来たーーー。




