ムチムチで無知な少女に未知を教えるマーチ 後編
セクばんにゃ!
前話を書いた直後に書いて予約したので再開の反応は一切目にせず前書きを書いています。
何もなかったら悲しいなぁ‥‥ 笑
投稿します。
「‥‥マジかー」
今年も残すこと2ヶ月となったある日。
屋上に行こうとした僕が見たのは新品の鎖と南京錠が取り付けられたドアだった。
ご丁寧にも"生徒の立ち入りを禁ずる"と50代デブス教頭やってそうなババアみたいな字で書かれていた。
これも後に担任に聞いたことだが、偶々僕もお姫さんもいないタイミングで不良共が屋上に来てそれを見つかったらしい。
不良大嫌い系ババアもとい教頭の指示で鍵は取り替え、ついでに鎖を巻くことにしたという。
そんな経緯は知らずとも、もう2度と屋上にはいけないことを察した僕は。
「‥‥マジかー」
とりあえず八つ当たり代わりにトモをいじめようと教室に戻るのだった。
さて、それから僕とお姫さんのエピソードは一旦終わりを告げる。
といっても一応は同学年、さらには幼なじみのトモと同じクラスだったというのもあり挨拶程度の交流はあった。
ついでに屋上に行けなくなったせいで授業に毎回出席するようになった僕をババアが学校最悪の不良を更生させたと自慢していたとかどうでもいい話もあるが。
3年生の時にはなんと同じクラスになった。
それなりに親交があったらしいトモと3人で遊ぶこともたまにあった。
だが、どんなに仲良くしていても僕とお姫さんが2人で話す事はなかった。
屋上という場所以外で話す彼女は何となく"知らない人"のようだった。
そんなクソガキ的な考えで1年間が終わり、高校に進学しなかった彼女と付き合いは終わった。
「‥‥懐かしいですね」
沙春ちゃんとの2泊3日の婚前旅行(嘘)もとい家族旅行(真実)。
温泉へと行った彼女はおらず、今は仲居の彼女と二人きりだ。
元 中学の同級生のお姫さんこと姫柳睦月さんと。
僕が中学の頃を思い出していたように彼女も思い出していたらしい。
僕はテーブルの湯飲みを煽る。
「お姫さん」
「はい、なんですか?」
ゆっくりと部屋の隅から目の前にくる彼女。
近くでみるとなんで気付かなかったんだというくらい彼女の面影がある。
体型こそ少しふっくらしたものの優しい顔や大きい胸など当時を思い出させるものがある。
「僕って君のことが好きだったのかな?」
告白―――否、聞いちゃってるこれは告白にも満たないただの質問だ。
そんなアホみたいな質問に彼女は小さく微笑む。
「そんなのわかりませんよ」
至極当然な返事だ。
他人の思考などそいつ以外誰がわかるんだって自分でも思う。
取り消そうとした僕に、彼女は「でも」と続ける。
「でも‥‥私にとって笠原くんとのあの時間は特別なものでしたよ。残念ながら私も恋愛経験はないのでこの気持ちがなんなのかはわかりませんが」
そう言う彼女。
だが僕は余計わからなくなる。
"特別な時間"―――僕にとっても彼女との時間は特別だった。
でも10年近く一緒に過ごしたトモにも同じく"特別な時間"を感じることがあるし、沙春ちゃんともある。
最近じゃ大学の桜井先輩とのゲーセンデートや須川先輩とのバイト手伝い。
どれも僕にしてみれば特別な時間だった。
「‥‥そっか」
考えはまとまらない。
でも"もしかしたら僕はお姫さんのことが好きなのかもしれない"―――そんな曖昧な答えがなぜかしっくり来た。
彼女はにっこりと微笑んでいた。
「あれ?とーはまだ温泉行ってなかったです?」
襖が開きピンクの浴衣に着替えた沙春ちゃんが入ってきた。
浴衣に負けず劣らずほっぺもピンク色だ。
「いや真のセクハラマスターとして、仲居さんの下着と胸のサイズを推理しようと思ってね」
「1時間も何くだらないことしてるです!?」
「今日は黄色で、大きさはGですよー」
「仲居さんも正直に言わなくていいです!!」
沙春ちゃんのツッコミを聞いているうちに頭はすっきりしていた。
目が合ったお姫さんと2人こっそり笑いあうのだった。
旅行シリーズはまだ続きます。




