第87話: 南魚沼に到着! 盛大な歓迎の裏で、私はキャンピングカーへ逃亡する(マイペースと推し活は必須よ)
とうとう南魚沼に行く日になった。
私が「遠慮します」と言ったのだけれど、環さんに「暁ちゃん、あなたがいなければ話にならないじゃない。発案者なんだからね。それに泊まる予定の宿の自由自在の湯は、魚沼地方で初めて水洗トイレが設置された場所だから安心よ。それにいざとなったら、あなたはガレージボックスに入っている携帯の水洗トイレがあるでしょう?」と言われてしまった。
さらに、「私はダイエットをするつもりがないので(チートで太らないんだよ)、一汁三菜はちょっと…」と抵抗してみたのだが――。
「どうせいつも出かける時は、文明開花の理さんに色々と頼んでるでしょう?今回もそうでしょう?」
(バレテーラ! 行動読まれてたよ…)
「それに私も同行するけれど、薫も行くのよ。薫ったら、暁ちゃんやいつものメンバーで行けるのを楽しみにしてるのよ」
そう言われてしまったら、もう推しのお願いには逆らえない暁であった……。
◇
一応今回は、みんなそれぞれのキャンピングカーも持っていく。いろいろとあった方が便利だからね。時代屋さん、薫さま、環さんもそれぞれ専用のキャンピングカーを持っているのだ。
プラエクスから今回は福島回りで新潟に行った。やっぱり遠回りで時間がかかって大変だ。
(早くトンネルを開通させてくれ〜! この世界の謎技術なら簡単でしょうに…)
新潟で乗り換えて小出まで行き、そこでラピスラズリの売り主のご家族に大歓迎された。
蒸気機関車の客車を降りた途端、いきなり太鼓で歓迎され、なぜか旗が振られ、横断幕に『歓迎! 暁様』とデカデカと書いてあって、とっても恥ずかしかった……!
私は目立つのは嫌なのよう。普通の人がいいのよ。だから来たくなかったのよ!
(歓迎するなら、金をくれ! いや、うなるほどあるからいらないからほっといて!!)
「わざわざ歓迎していただいて、ありがとうございます」とにこやかに挨拶したけれど……まぁ、薫さまたちのこれから事業が始まるかもしれないからね。第一印象は大事!
◇
打ち合わせもあるので、ラピスラズリの家の売主さんのお屋敷に行った。そこは日本の昔話に出てくるような、藁葺き屋根の大きな家だった。
ここでみんなが真面目に打ち合わせをしている間、私はお土産の越後上布を求めてさまよい歩いた。
こういう時に顔が知れ渡っていたのが役立って、やっぱり良かった!
よそもんだったら普通は怪しまれるけれど、さっきの歓迎式典でみんな顔を見ていたし、服装も一緒だから覚えていてくれる人が多かったのだ。
それに、大体お茶を出してくれるので甘いもの系を差し出すと、みんなすごく喜んでくれる。甘いものはまだまだ貴重で高価だからね。おかげで結構良いお土産(越後上布)が手に入ったと思う!
◇
藁葺き屋根の豪邸に戻っていくと、みんなから「どこ行ってたの!?」とすごい心配された。共鳴歯車を鳴らしたのに反応がないからと言われ……。
「あっ! すみません! またカバンの中に入れっぱなしにしてしまいました……申し訳ないです! どうぞどうぞ、夜に皆さんでこれを飲んで宴会をしてください!」
と、大量にお酒を出したら、皆さん綺麗に忘れたふりをしてくれた(笑)。
新潟はお酒好きも多いからね、かなりの量を出したよ!
そして大宴会に突入!
私は「のっぺ汁」と「へぎそば」を堪能し、鎌倉のハムやローストビーフ、百貨店のケーキをお礼に出して、
「まだ子供なので、先に寝かせていただきます!」
と言って敷地にキャンピングカーを出させてもらい、そこに引きこもって現実逃避をした。
環さんがずっと爆笑していたのが腑に落ちないが、まぁ仕方ない。
その横の薫さまのご尊顔は、今日も麗しかった……♡
(推し活は今日も絶好調!尊い麗し細マッチョ神薫さま♡ラブ♡)




