第78話:『静けさや!閑さや!!!崖に染み入る波の音』……なんちゃって。by暁ちゃん
『静けさや!閑さや!!!崖に染み入る波の音』……なんちゃって。
エヘエヘ……あまりに静かだから、ちょっと一句詠んでみたくなってしまった暁ちゃん13歳のお正月。
やっとみんながプラエクスに引き上げていったよ。みんな大満足で帰っていったね。
「一緒に帰ろう」って言われたけれど、
「片付けがあるからのんびりぼちぼち片付けて帰ります」
(やだよ、もう。少しは1人にさせてくれ!)
という口実で1人残って、静かな鎌倉を満喫しようと思っているのさ。
親切で優しい薫さまが「家から片付けのために何人か連れてこようか?」とおっしゃってくださったけれど、丁寧にお断りした。
環さんも心配してくれたけれど、「大丈夫です」とにっこりお断りした。
1人で鎌倉の我が城に篭城する口実がなくなっちゃうからね。
しばらく1人のシングルライフを満喫するよ。
(本当はいつもお一人様のはずなのになぁ。おかしいね…)
実際に片付けは簡単だ。
魔法『生活魔法のクリーン擬き』を強力にパパっとかけるだけ。
布団とかも瞳さんや幼馴染の皆さまが「布団干そうか?」「シーツとか洗おうか?」と言ってくれたけれど、「大丈夫です」とお断りした。
みんなも我が城に最新式の洗濯機があるのを知っているし、私が『クリーン』を使えるのも知っているからね。
「じゃあ悪いけど、汚しっぱなしでごめんね。ありがとね」
と素直に帰ってくださった。
理さんはまだまだ我が城のキッチンを使っていたかったみたいだけどね。
布団の片付けも簡単だよ。この家は広いからね。押し入れや納戸も広いのだ。
だから『クリーン』をかけて、1回亜空間収納に入れてから押し入れや納戸にしまって、残りは亜空間に入れっぱなしにしておいた。
いつどこで使うかわからないしね。
なにせ大量に百貨店で買ったからね。特別なお客扱いされるくらいには!
まだまだ新品も亜空間収納に入っているしね。ハハハ、大人買いだったよ。まだ子どもだがな。
あーあ、ラーメン食べたい。
元の日本でも中華そば系が好きだったから、こっちの食堂やカフェのメニューに取り入れられた「支那そば」……鶏ガラ出汁に細い縮れ麺、チャーシュー、メンマ、刻みネギが乗ったシンプルなやつや、蕎麦屋の支那そばも、蕎麦屋の醤油のかえしを元にしていて美味しいから嬉しいんだよ。
プラエクスにも百貨店の食堂や、普通の食堂、蕎麦屋にあるし、元の日本の有名な作家が若い頃やっていたような屋台の支那そば屋もある。
文学青年だった彼らは、屋台に『三人書房』という一風変わった名前をつけたりもしていた。
日中は古本を並べて売り、夜になるとその棚を片付けて支那そばを売るという、今で言う『ブックカフェ』の先駆けのような、非常にモダンでユニークな営業スタイルだったりして、そういうところを覗くのも楽しかったりするんだよね。
(元の世界の三人書房は激マズですぐ潰れたらしいが……)
だけど人間天邪鬼で、急に豚骨醤油の『家系ラーメン』が食べたくなっちゃうんだよね。
ないと思うと余計にね!元々そんなに頻繁に食べなかった癖にさ。
まあ、ドラッグストアショッピングで家系ラーメンのセットがあったから、ポイントで買って理さんに作ってもらうかな?
今日は蕎麦屋の支那そばで勘弁してやるか!
まぁとにかく、当分は静かなスローライフが送れるんじゃないか?と期待してるけど……ネ!!




