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大正浪漫なスチームパンクの蒸気都市で、ドラッグストア機能とポイントを駆使してスローライフを送ります  作者: Fos B


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第72話: 年末年始は大混乱!?華族に宿屋に職人に職業婦人!家族まで?うちはリゾートホテルじゃありません!!

プラエクスと鎌倉の別荘の2拠点生活。我は満足ぞ。プラエクスのラピスラズリの我が城では規則正しい生活にいそしみ、鎌倉の別荘でも規則正しい生活に加えて、鎌倉駅周辺の『西洋料理店』や『カフェー』に1人、気ままに訪れてリサーチをする仕事をしているのだ。(何のリサーチか知らないよ。私もわからないから、ただ言ってみただけ。)

鎌倉の『カフェー』や『西洋料理店』は、『新しい時代の女性たちが堂々と集える社交場』でとても華やかだ。行くだけでワクワクしてしまう。別にお一人様でも堂々とできるしね。そういう女性も多いよ。

『カフェー』は最先端の考えやファッションをした女性の集まる場所だった。大正デモクラシーで女性の社会進出や権利意識が高まり、髪を短く切った『断髪』パッツン前髪のスタイルや、洋服を着こなす『モガ(モダンガール)』たちがプラエクスや鎌倉の街を華々しく歩いている。

『カフェー』が爆発的に流行したのもうなずける。但し今の喫茶店とは少し違い、女給さんがお酒や料理を出す場所だ。(そんな場所に13歳の暁が行っていいのかしら?と思ったけど、誰も気にしちゃいなかった。行くのは昼間だし、お酒飲まないし。てか飲めないし飲んじゃいけないし。ねぇ?)男性客だけでなく、ハイカラな女性たちや、女学生、芸術家、作家などの文化人がコーヒーやケーキ、お酒を楽しんだり、政治や文学を討論したりする、文化的な空間だ。(私はひたすら話を盗み聞きして「なるほどなるほど」としたり「イヒヒヒ」と笑ったり……我ながら危ない人だよね。)

鎌倉は東京の文化人や進歩的な知識人が多く住んでいたため、彼らの奥様や、自立した職業婦人(画家、作家など)が、一人で、あるいは友人同士で誰を気にするわけでもなく、西洋料理店やカフェーに入って食事をし、楽しむ姿は当たり前の日常だった。(ほんと住みやすい、居心地が良い場所で、ずっとここに住んでてもいいんだけどね〜♡ 何にも縛られなくて、とにかく楽!)

そんなこんなで鎌倉の滞在率が多くなっていたある日。いつものルーティーンで「文明開花」へお昼の生存確認報告に行った時だった。珍しく理さんと瞳さんにキッチンに呼び出しをくらう。(私、何かしたんでしょうか? 瞳さんの目が……笑ってない?)

理さんに「暁ちゃん、自分だけ暁ちゃんの鎌倉の別荘見てないんだよね。うちの家族で見てないの自分だけでのけ者にされてるんだよ」と言われた。(そんなの知らんがなぁ。)

すると、瞳さんが「私たち、さすがに大晦日とお正月の三箇日は『文明開花』はお休みにするの。毎年そうなのよ。それでなんだけど……」(なんか嫌な予感がしてきたぞ。逃げるか? いや、後がやばいな……)

「それで?」と私が言うと、瞳さんはこう続けた。

「年末年始、暁ちゃんの鎌倉のお家に行っていいかしら? いいわよね」

有無を言わさない。その深く優しい笑顔に、私は思わず姿勢を正し「ハイ!マム!!」とわけのわからない返事をしてしまった。

(しまった、やってしまった……! 私は毎日盆と正月が一緒に来てるような生活が続いてるから、本当のお正月が近いなんてすっかり忘れていたよ。そういえば周りがそんな感じになってた……)

すると今日のお手伝いの冬さんが「私たちもみんな家族でお邪魔するわね」と当然のように言った。さらに瞳さんが「実は環さんや都さん、私の幼なじみたちみんなでそんな話をしてたのよ。よろしくね。多分時代屋さんの3人とその家族も行くと思うわよ」と言うと……。

私は「文明開花」の裏庭に駆け込み、共鳴歯車でまず環さんに連絡を取った。

すると、「なんか最近暁ちゃんたら鎌倉にほとんど行きっぱなしで1人で楽しんでるじゃない。私も薫も、年末年始は家関系にいるとすごいめんどくさいのよ。だから大晦日と元旦は、暁ちゃんのところに避難させてね」と勝手に言われる。(うん? 今、薫さまって言った?)

「薫様もいらっしゃるのでしょうか?」

「ええ、2人で行くからよろしくね」と言うではないか。

私は「そんなにみんな集まるんですけど、大丈夫ですか?」と焦ると、環さんは「あら、賑やかで楽しそうじゃない。また女子会ができるから嬉しいわ。薫も時代屋さんや蒸気機関組合の人たちといろいろ話せるから楽しいみたいよ」と言った。(なんですと? 私が知らない間に鉄さんや鋼さんも来ることになってるんかい!)

「かしこまりました。では年末年始はそのように予定組んでおきます……」

(あぁ、私のスローライフ、スローライフ、スローライフ……)

「暁ちゃん、かわいいわね。よろしくね」

ガチャリ、と共鳴歯車が切れた。

そしてすぐに、鉄さんに共鳴歯車で連絡を取ると、鉄さん家族と鋼さん、もちろん都さんもいらっしゃるとのことだった。(みんな、当然のように……!)

それから私は「お正月は何にもしたくない!」ということで、年越しパーティー用と元旦用のおせち料理やその他諸々を、当日まで少しずつ作ってストックできるように理さんに作ってもらうよう頼んだ。それに合わせて、ちょうど元日本もクリスマスやお正月だったから季節商品があり、ドラッグストア機能のショッピングでおしゃれな使い捨て用の入れ物を大量に購入して理さんに渡した。後は大量のお酒類、ジュース類、お菓子類、缶詰類、アイスクリーム類も同時にポイントで交換した。人数を考えるとかなり大量に買った。余れば食べればいいやと思ったけれど、多分足りないだろうなと思った。

それから、鎌倉の別荘には南仏リゾートホテルのような客室が壱から漆まであるし、スタッフ用の寝室3部屋に、ワルダクミするお偉いさんが使っていそうな和室とソファが置いてある大きな部屋もある。みんなで適当に部屋を使ってもらうために、布団を購入しに百貨店に注文しに行った。

「何組分買えばいいんだろう? 何組別荘にあったっけ?」

まぁ、亜空間収納に入れておけばいいからね。布団も大量に注文した。ラピスラズリの家に1週間後に大量に届けてくれるらしい。

(薫さまと環さんは華族で大財閥だから、それぞれ1人部屋にして、後は勝手に部屋割りを決めてもらおう。やってられないよ。でも、私の寝室と書斎、トイレとバスルームは絶対誰にも立ち入らせないぞ! 死守だ! 鍵を忘れるな!!)

大きなリビングも、大きな音楽サロンルームもあるから、これだけ人数いても大丈夫だろう。それぞれの客室にはバスとトイレがついているし、1階にトイレが1つ、2階にトイレが2つ、客用バスルームが1つ、客室付きのバスルームのほかにもあるからね。

考えてみたら、すごい豪邸だ。これを1人で暮らしているなんて、なんて贅沢なんだろうハハハ。こんな生活が想像できるかね元の世界の暁ちゃん。半分になってデレクトアティオにきた私、暁はこんなブルジョアな生活をしているんだぞ! とちょっとドヤ顔した。

それにしても、鎌倉の我が城は……

『リゾートホテルじゃな〜い!!』

と叫びたい暁であった。

(ただし、年末年始、今年の締めくくりと年の始まりに薫さまを拝めるのは、1番の幸運だなぁ〜! なんてな!)


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