第70話:英検3級で撃沈!ムカつく金髪イケメンの急な帰国に乗じて、鎌倉の高級別荘をお買い上げしちゃいましたが何か⁈
金髪碧眼の王子様風イケメンは、環さんの仲の良いお友達だそうだ。薫さまとも仲が良いらしい。そこで私たちは紹介された。
環さんは日本語で紹介してくれて、相手の王子様風イケメンも日本語で「こんにちは」と言っているのに、イケメンを前にしたら外国人だしテンパってしまい、いきなりやらかしてしまった。英検3級、中1の初めの授業で習ったアメリカ英語で「Hello. Nice to meet you. My name is アカツキ.」と挨拶してしまったのだ。
すると王子様風イケメンと環さんがびっくりした顔をした。そして金髪碧眼の王子様風イケメンは、
「How do you do? I am エドワードだよ!」と笑いながら言った。
環さんが「暁ちゃん、アメリカ英語を喋れたのね。今エドワードが返した言葉の返し方はキングスイングリッシュよ。上流階級の人たちがエレガントに話す言葉なの。そう言われたら、あなたも『How do you do? I am Akatsuki.』って答えるとスマートよ」と笑いながら教えてくれた。
(私はアメリカ英語なんだよ! 日本が誇る英検3級なんだよ! お上品なキングスイングリッシュなんかできやしねーよ。所詮、こんな人間さ。格式なんか高くねーよ、フン! やっぱり推しは薫さまだね!!)
そして瞳さんも花ちゃんも、王子様風の顔に見とれているだけで何も言わずに黙っていた。
環さんとエドワードが(こいつはもう呼び捨てだ。私の中でな!)話し始めた。(私はモブに徹するさ。イケメン主人公は麗しい環さんとだけ話しとけ!)
「環にこの場所で会えてよかったよ。母国のイギリスの家から呼び出しがあって、急遽日本を立たなきゃいけなくなったんだよ。なるべく早く帰って来いって言われててさぁ」
「あらまぁそうなの、それは大変ね。偶然とは言えここで会えてよかったわ。そういえば、あなたの高台にある別荘はどうするの?」
「それも売却したいんだけど、急すぎて買い手の目処がつかないんだよ。環、誰か知らないかい? それか、環か薫が買ってくれないか?」
(うん? 何かいい話をしてるぞ。プラエクスだと最近少しみんなの説教が多すぎて窮屈になってきたんだよね。たまには1人になりたいんだよね……。なんかいい話が聞こえてきたぞ? やっぱりこれは参拝のご利益か!?)
「私も薫も、鎌倉にはもう別荘持ってるしね。そんな何件も必要ないのよね」と言うのが聞こえたので、私はモブに徹するのをやめて右手をきれいに上げて「私が買います」と宣言した。
「暁ちゃんたら、また思いつきでそんな……。でも、いいかもしれないわね?」
というわけで、急遽、暁の別荘購入プロジェクトが始まった。
それからは早かった。瞳さんと花ちゃんには付き合わせて申し訳なかったけれど、文明開花に帰るのが遅くなると共鳴歯車で連絡をしてもらい、すぐに高台にある素敵な別荘を見に行った。
ここも、イギリスに家具や食器類などの生活道具を持って行くのは急遽帰らなきゃいけないし大変なので、全部置いていってくれるとのことだ。キッチンとかも最新式のものが入っていたのでそのままにして、お風呂とトイレだけ薫さまの会社の職人さんに頼むことにした。全部環さんに丸投げだ。
明日、環さんの服飾組合にエドワードが来て、私も行き、不動産屋と環さんの立ち会いのもと売買手続きをすることになった。とりあえず今日は鍵の登録だけした。
瞳さんも花ちゃんも初めはびっくりしていたけれど、家中駆け回って隅々まで見ていた。
良きかな良きかな。私の自慢のラピスラズリの家よりも何倍も大きい我が城が、もう一箇所できたのであった。
海も見えて最高! 外食もお茶も散歩も、何もかも最高な場所だ!!
エドワード、ちょっとむかついたけど許してやろう。ハハハハハ!!




