第66話:怒涛のメンドイお説教からスタート!お土産とビジネスの種を丸投げし、やっぱり我が家が一番だ!!
「ただいま〜」
文明開花のドアを開けると、「おかえりー!」と大勢のお出迎えの声が響いた。ちょうど3時で、文明開花が一段落する時間だったらしい。理さん、瞳さん、花ちゃん、瞳さんの幼馴染3人、時代屋の3人に、なんと玲子さんまで揃っていた。
「皆様、お揃いで……」
「沖縄に着いたとも連絡ないから、本当に心配したのよ!」
「お姉ちゃん、ダメだよ! 『報連相は大切』って、お姉ちゃんがいつも言ってたんだよ!」
「環さんから連絡が来るまで、みんな本当に心配してたんだぞ!」
などなど、帰って早々にお説教の嵐が始まった。
(あー、メンドクサイ! 今日からまた、この日常が戻ってきたんだなぁ……)
「いろいろありましてね、皆様、本当に申し訳ございませんでした! ところで、お土産をたくさん買ってきたんですよ〜!」
ここでも得意の忍法『ごまかし』を発動!!
実は料亭巡りをする中で、いろいろなお店の折り詰めを「20人前ずつ」行く先々で用意してもらい、亜空間に保存しておいたのだ。それをそれぞれの家ごとに適当に2箱ずつ、じゃんけんをして喧嘩にならないように取っていってもらい、男の人には泡盛、女の人には大正ロマンの雰囲気にも合いそうな手作りの木綿の『色絣』を配った。
さらに、ひっそりと後から瞳さん(と花ちゃんの分も)、それから玲子さんには、大正ロマンにぴったりの華やかな紅型の反物も渡した。二人ともびっくりしていたけれど、いつもお世話になっているからね! 紅型は、華やかでありながら上品な色合いが、今のプラエクスでもすごく人気があるそうだ。
それから、理さんには『沖縄から大量の食材を持ち帰っていること』『カレーや唐揚げ、白いご飯の在庫がかなり減ってしまったので、また念のために補充をお願いしたいこと』を頼んでおいた。やっぱり、備えあれば憂いなしだね!
そのあと、今度は蒸気機関組合に行って、使えなくなった部品の回収をしつつお土産を渡した。これでまたポイントを使って懐中時計ショッピングができるぞ。ウハウハだ!
最後に服飾組合へと向かい、環さんと薫さまに挨拶をした。
持参したもずくの三杯酢、もずくの天ぷら、そして海ぶどうをその場で出して試食してもらう。さらに、環さんには紅型と料亭の折り詰め、泡盛を渡し、薫さまにも似合いそうな紅型の反物と料亭の折り詰め、泡盛をプレゼントした。
そして本題、もずくの養殖について熱く語った。
夏の間に陸上の生け簀に栽培用のもずくを入れて大量の胞子(もずくの種)を放出させ、その中に網を浸して網に種を植え付ける。
秋になったら、その種がついた網を一度、波の静かな浅い海へと持っていく。ここで20〜30枚の網を重ねて海に沈め、もずくの赤ちゃんが1〜2mmほどの大きさに育つまで、海の栄養をたっぷり吸わせる。
冬になってもずくが少し大きくなったら、網を1枚ずつにして、太陽の光がよく届く透明度の高い浅瀬(水深1mのサンゴ礁の海)の海の底にしっかりと杭を打って広げる。あとは太陽の光と海水のミネラルだけで、20〜30cmの長さにまで成長させるのだ!
そして春(2月〜5月頃)になると、網いっぱいにモサモサのもずくが育つ。収穫時は海人が海で刈り取る――ちなみに、海人は潜水時間も長いし目も良い。漁の網に万が一サメが近づいてこようものなら、海に飛び込んでナイフと腕でサメの鼻を叩いて追い払ったり仕留めたりするくらい、めちゃくちゃ頼もしい人たちなんだよ、というエピソードも合わせて紹介しておいた。
ただ、ここで一つ課題がある。
もし蒸気機関組合と共同開発できるなら、大きな掃除機のような形をした「吸引ポンプ」を作って、網の上にびっしり結びついたもずくを海水ごと船の上に吸い上げられるようにすれば、もっと収穫効率が上がるんじゃないかな〜と提案してみた。
それを綺麗にゴミを取り除いてから塩漬けにして保存し、プラエクスに運んで、使うときは水でさっと洗って1分くらい塩抜きし、三杯酢にして食べるという寸法だ。
一方、海ぶどうについては、冷やすとダメだし、水につけすぎると破裂して溶けてしまう。かといって温かすぎても溶けてしまうので、あのプチプチとした食感を保つためには「常温」が良いらしい。
「なかなか難しいけど、この謎技術がある世界だから、きっと何とかなるでしょう!」
と、見事に全部丸投げした。
私は、食べたいときに美味しい海ぶどうともずくが手に入ればそれでいいのだ。ははは、いいとこ取りだなっ!
そのあと、首里城の件も薫さまにお任せすることにした。寄付の金額が分かったら教えてもらい、服飾組合の環さんを通して寄付を行うことになった。もちろん、今回も私は『雲隠れの術(名前を伏せる)』でお願いしてある。
薫さまに改めてお礼を言い、二人にお願い事をすべて押し付け……いや託して、私はやっと自分の我が城へと帰ることができた。
久しぶりに帰ってきたので、庭から家の中から何から、片っ端から生活魔法ぽいのをかけまくったけれど、私の魔力は全然減る気配がない。よかったよかった、チート万歳!
そして家に入ると、今度は大きな声でこう叫んだ。
「やっぱり、我が家が一番だーー!!」




