第63話:裸足の子供たちにびっくり!…って、私の水着姿が一番浮いてる!? なんくるないさ〜!さあ大商談会チバリヨー!!
今日も、時計塔の鐘の音で叩き起こされた。
また昨日と同じように、一度生活魔法もどきをかけて駐車場箱にキャンピングカーをしまい、事務所に顔を出す。今日もきちんと朝から爽やかな笑顔の知念さんが待っていた。
出かける前に今日の希望を聞かれたので、「できれば海に行って泳ぎたい!」と言うと、知念さんは少しびっくりしていたが、親戚に連絡がついて塩漬けのもずくや海ぶどうの話がまとまったので、海沿いにある親戚の家へ行くことになったのだ。
行く前にやはり市場に寄って爆買いがしたいと言って、今日も昨日と同じ屋台で朝食をとることにした。もちろん今日もキャンピングカーで行く。ウォシュレットのついた『水洗トイレ』は必須だからね!
市場でまた大量買いをして、知念さんの道案内を聞きつつ、懐中時計型のマップを見ながら、知念さんの親戚の家にお邪魔することにした。
那覇や首里城の近辺を離れると、様子が一変した。
今日は学校が休みだったらしく、子供たちも大勢姿を見ることができた。まず小さい子たちはみんな真っ裸だ。靴も履いてないし下着もつけていない。
それから少し年上の男の子たちは『ふんどし』を締めるか、木綿の短い短パンのようなものを穿いている。
そして女の子たちは、木綿や身近な植物の繊維で織った麻のような『薄手の着物』を、帯を締めずに腰のあたりで軽く結ぶだけの姿だ。
海で魚を獲る大人の男性『海人』たちの服装は基本的にふんどし。遠くからふんどし一枚で網を引いているのが見えた。強い日差しを避けるためか、藍染めの木綿や芭蕉の繊維で織った風通しの良い涼しい上着を羽織っている人もいる。女性の普段着も藍染めの着物を帯を使わずに直接腰のあたりでたくし上げて紐で結ぶ「ウシンチー」という沖縄独特の着方だ。動きやすいように、裾は膝のあたりまで高くめくり上げている。みんな裸足だ。
市場に魚を売りに来る女性たちは、重い魚の籠を頭に乗せて、未舗装の道を何キロも歩いて街の市場へ行商しているようだ。強い日差しから頭を守るため、大きなクバの葉で作った笠(クバ笠)をかぶったり、手拭い(ティサージ)を頭に巻いたりしている。
知念さんに解説してもらいながら、私はすっかりカルチャーショックを受けていた。みんな、子供たちも含めて裸足だから足の裏が革靴の底のように硬くなっていて、なんとサンゴ礁も平気でガシガシ歩けるそうだ。
「ラッシュガードとマリンシューズはどこいった……!」
とりあえず私は知念さんに断って、スチパンロリの服を玲子さんにスーパー改造してもらった水着風のスパッツとカップ付きTシャツインナーに着替えた。足元はドラッグストア機能で買った、この世界でもおかしくない一見革靴に見える合皮のスニーカーもどきだ。
(すっごい浮いてるけどまぁいっか! 知念さんがいるからどうにかなるしよっ⁈『謎のフラッとやって来た変な女』って思われればいいや)
と思いながら、わらわらと人が集まってきている外へと出て行った。
そして、一軒の家に向かった。
ここは知念さんの「親戚の家」と言っても、実はご両親の家で、お兄さんやお姉さん、弟や妹たちがみんな集まっていた。家族のみんなに紹介してもらい、さらに近所の親戚も集まってきて、手に手に塩漬けのもずくが入った桶をたくさん持ってきてくれた。
それに対して私は、現金と、プラエクスで大量買いしていた味噌・米・醤油を出した。するとみんな大喜びで交換してくれた。
さらに、
「ここら辺でも大量の海ぶどうは獲れますかね? 水が綺麗って聞いてるんですけど、綺麗に海水で洗ってすぐ食べれる状態にして集めてもらえますか? お手すきの方はどなたでも大丈夫です。お子さんでも大丈夫! 大量に欲しいのでよろしくお願いします!」
と言うと、知念さんがもう一度みんなに通訳してくれて、みんな快く承知してくれた。そして一斉に海へと入っていった。
私も知念さんに「海に入りたい」と言うと頷いてくれたので、大事なカバンをとりあえずキャンピングカーの中に入れて鍵をかけ、海へと向かった。
そして知念さんの弟さんや妹さんたちに混ざって、一緒に海ぶどうを獲った。その合間に、少しだけ何とか泳いでみた。遠浅だから本格的には泳げなかったけれど、海の中を見ると、カラフルなサンゴと綺麗な小魚たちが泳いでいた。
日差しがすごくきつかったので、日焼け止めを塗っておいて本当によかったと思った。もちろん帽子もしっかりかぶっている!
私1人だけ水着の格好ですっごく浮いていたけれど、「都会の人はそんなもんだろう」と思われているらしく、誰も変に疑ったりしなかったのでよかった。
そして、結構遊んですっかりへとへとになったので、知念さんの待つ実家へと戻っていった。
ここで一度キャンピングカーに戻り、クリーンをかけてからカバンを持って再び外に出る。カバンの中から、ドラッグストア機能のショッピングで買った瓶入りの「冷えた経口補水液のジュース」を大量に取り出して配った。
この村の人数分全部だからかなりの量になったけれど、次々と出して配っていく。最初はみんなびっくりしていたけれど、「都会の人はそういう不思議なものを持っているんだな」と思われているらしく、すんなりスルーされた。(みんな純粋でよろしい!)
そしてみんなで一息ついてから、いよいよ収穫物の大商談会が始まった。
さあ、一流の商人になれ、暁――!




