第36話:一卵性双子恐るべし!暁、イケメンの前に散る
月一回の特許料をもらうためと美容関係の納品に服飾組合の前にスタスクで乗りつけた。すると、組合のドアの前に1台の超高級車っぽいものが運転手付きで止まっている。誰か大金持ちが来ているのか?政府のお偉いさんか?それとも華族でも来ているのか?と思いながら、私には全く関係ないからまぁいいかと組合に入った。
気にせず中に入っていくと、いつもの受付嬢が「お待ちしておりました。今組合長にお客様がお見えですが、暁様がいらしたら案内してくれということなのでご案内いたします。」と言われた。
私は???と思いながらも案内され、部屋の中に入っていった。
すると組合長がこちらのドアの向かいの重厚なデスクに座っているのに対し、男性が1人ドアに背を向けて立っていた。身長も組合長と同じ位高い。すごい圧迫感だ。その人がこちらを振り向いた。
すると(なんと言うことでしょう)とんでもない。私のドストライク、ど真ん中のイケメンだダダダだ。
(なんて言うことでしょう。パートII)
とってもとっても8頭身。
(惚れてしまうやろが)
ほんとにほんとにイケメンだ。私はイケメンが大好きだ。ここに宣言する!顔がイケメンだけじゃない。私が好きな細マッチョだ。服装は、スリーピースの重厚なスーツに懐中時計、革の手袋、そしてただ者ではない仕事できる感がビシビシ伝わってくる佇まいだ。
すると環さんが「暁ちゃんたら何固まってるの?それにお口がポカンと開いて…顎が外れちゃってない?こっちにいるのはね。私の一卵性の双子の兄で薫って言うのよ。いろんな会社の経営をしてるわ」と言った。
(なんですと、以前に玲子さんから環さんは華族だと聞いた。この上「華族の社長」っていう付加価値もついてしまうんかい!)
「君が噂の暁ちゃんかい?こいつの兄で薫って言うんだ。よろしくね」
「よろしくお願いします。ごきげんよう」
(なぜ私ごきげんようって言うかな?)
あまりのイケメンっぷりと素晴らしい低音ボイスに私は壊れてしまった。これがいわゆる、耳元で囁かれたら腰が砕けると言う幻の低音ボイスなのか?暁たった13歳…初めてそんなお声を聞きました。この声は絶対聞いてはいけない。だめだめよ!
ほんとにイケメンなんだって。一卵性の双子って事は、顔は環さんと同じってことだ。環さんも麗しい顔だけれども、髪型と服装が違うだけで全然別の個体に見える。声まで違って聞こえる。イケメン好きにはもうたまらない。
でも私は遠くでイケメンを眺めているのが好きなんだ。同じ部屋にいてはいけない。お願いです。遠くからそっと柱の影から見守らせてください。私に話しかけないで〜と大混乱の純粋可憐なたった13歳の暁であった。




