第35話:お城を手に入れた暁の、マイペースすぎる独立宣言
爆弾発言をした後、文明開花の3人が固まってるので、私はそのまま勝手に話を続けた。
「売主さんが1週間位で引っ越しするので、その後どこかに頼んで水回りの内装工事をしたいなぁと思ってて。キッチンとかこの文明開花みたいに私が使い勝手が良いように変えたいし、お風呂も私が今欲しい機能足したいし、洗面所やトイレもきれいにしたいし、とにかく水回りをきれいにしたいんです。それで後は全部家具も食器なんかも持っていけないものは売り主さんが置いてってくれるのですぐに住める状態です」
「なんでまた急に」
「散歩してたら、偶然売りに出してるのを耳にして、その場で即決で買っちゃいました。私が前から憧れていた家を具現化した物件だったから即決しちゃいました。エヘッ」
「お姉ちゃん、私たち置いて出て行っちゃうの?」
「違うよ。それにもう花ちゃんは1人で魔法バッチリになったし、文明開花も軌道に乗ってるし、お手伝いの人たちもいるし、それになんといっても裏庭の壁の向こう側だよ」
「それはそうなんだけど…」
(壁の向こう側だけど、ここからだと区間の関係で、ぐるっと回って道を行かなきゃいけないし、15分以上かかるから本当は近くて遠いんだけどね。絶対裏門とかは作らないぞ!そのぐらいの距離感の方が、私にはいいのさ。)
「それにしょっちゅう遊びに来る予定だし」
「ほんとだよね。師匠」
「スタスクに乗ればあっという間だもん」
「私もスタスクは買えないけど、自転車は乗れるように練習してお姉ちゃんに会いに行くよ」
(それはたまににしてね。私は1人生活で私のお城で引きこもりたいんだからさ)
「プラエクスに来てすぐこちらにお世話になっていろいろ助けてもらって本当にありがとうございました。挨拶みたいになっちゃったけどまだまだ引っ越すまでは日にちがあるからよろしくお願いします。今まで通りでお願いします」
「いや、お世話になったのはこっちだよ。暁ちゃんがいなかったら、あのまま文明開花は進まないままだったけど、暁ちゃんが来たから色々と進むことができたんだ。こちらこそ、ありがと」
「たとえ文明開花を引っ越して一人暮らししたとしても、何かあった時は声をかけてね。大事な娘と思っているんだから」
(その気持ちが重いけど、たった1人でこの世界に来た私にとって、嬉しくもあるし複雑な心境なんだよなぁ。)
「ありがとうございます。これからも食事しょっちゅう来ますから宿泊客じゃないけど特別枠ってことで急に来ても食べさせてくださいね」
「そんなの当たり前じゃないか。ここのメニューは全部暁ちゃんの考えたメニューなんだからさ。いつでも実家に帰ってくるみたいに食べにおいで」
(だから、その気持ちが重いんだけど…でもうれしいんだけど…)
「師匠またわからないことがあったらいろいろ教えてね」
「うん。じゃあこれで文明開花戦略会議は最後の会とします。皆様お疲れ様でございました」
と私は言って、自分の部屋に帰っていった。
しみじみするかと思ったが、案外そうでもない自分に驚いた。
(あっ明日は服飾組合に行って、ガッポガッポの特許料をもらいに行かなきゃ!それと時代屋さんに行って、ラピスラズリの家につけたいものがあるから、それをいくつかお願いしなきゃな。)
いつもと変わりなく、すやすやと眠った暁であった




