第25話:産業革命?いえいえ、私の夢は不労所得です。
源さんが「組合長、また暁ちゃんと共同で特許出願するからよろしくなぁ」と、書類をテーブルに置いた。
ふざけていた先ほどが嘘のように、その瞳は真剣そのもの。どこかできる職人的なオーラさえ漂っている。
組合長が書類に目をざっと通し、「これは……ずいぶんと画期的だな。足を揃えてバイクに乗るなんて、誰も考えたことがなかった。これなら女性客も増えるぞ。早速申請するか」と満足げに頷いた。
組合長が卓上のベルをリンリンと鳴らす。あんな小さな鈴の音で聞こえるのだろうか? と思った矢先、軽やかなノックと共に有能な秘書的女性が入室し、指示を受けるやいなや、さっと部屋を後にした。(あるある、異世界謎技術)
「これが完成すれば、街の様子が一変するな。サイドカーは人を運ぶにも荷物を運ぶにも便利だ。新たな移動手段としても、物流業界にも革命を起こすかもしれない」
源さんの熱い言葉に、風ちゃんも目を輝かせる。
「そうなんですよ! しかも車体色は女性向けの可愛いカラーで、あのラメ塗装の技術は他分野への応用も利くはずです!」
私は冷めたお茶をすすりながら、二人の会話を静観していた。
(……まあ、何でもいいんです。要は不労所得でガッポリ、夢のスローライフが送れればそれでいいんですよ)
「じゃあ、そろそろ倉庫へ行って、使えそうな部品を物色しに行くか?」
「はい、ぜひお願いします!」
(これでドラッグストア機能も使い放題、やりたい放題、食べたい放題! ぽっちゃり知らずの贅沢ライフ、ハハハ……なんてね)
私は、期待に胸を躍らせながら倉庫へと向かった。




